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春・夏・秋・冬

 年末、国際社会は米国発の金融不安の拡大によって、未曾有の混乱の中にある。その元凶は自由主義だ。なんでもかんでも米国の思うとおり、米国式が良いのだと、ルールを作ることもなく壁を取り払い一方的に市場を開いた結果である。まさに米国の思うつぼだったが、その顛末が今日の姿。一部の学者は、資本主義の終焉だと指摘する

▼2期8年続いたブッシュ政権、その凋落振りを象徴する出来事が起きた。任期中、最後のイラク訪問に出かけ記者会見に立った彼に、イラク人のテレビ記者が犬呼ばわりなどをしながら、靴を投げつけたのだ。イスラム教では、靴を投げつける行為は侮辱を意味するのだという

▼ブッシュ大統領は飛んできた靴を交わし、冗談を飛ばしてその場を収めようとしたが、「テロとの戦争」などと超大国であることを傘に着て、あらぬ嫌疑をかけて一国をメチャクチャにした張本人だけに自業自得だが、なんとも惨めな光景だといわざるをえない

▼そのブッシュ政権、8年間の対朝鮮政策を振り返ってみると、前期の4年間は独りよがりの強硬、後期のそれは妥協、そしてジリ貧ということになるだろう

▼結果的に見れば、核兵器を背景にした軍事力によって屈服させようとしたものの、逆に核保有の道に進まざるをえなくしてしまい、全否定したクリントン時代へと回帰するほかはなかった。まことに無駄な8年間。米国の政治とはこんな程度なのだろう。それに追従する日本の有り様はここで指摘するまでもない。来年は希望の持てる年にと、願わざるをえない。(彦)

[朝鮮新報 2008.12.19]