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アタタカイ、モノ

 新しい暮らしを始めた今年。仕事はますます忙しくなり、自身の生活の軌道修正をするのに頭と体がフル回転の中、今までの生活からは知りえなかった自分や日常に気づかされる。仕事に追われ、自分に科せられた「やるべきこと」に手がつかず、ストレスも溜まりがちなこの寒い冬。ホッと一息、明日への活力となる「アタタカイ、モノ」がある今、気分は良好だ。

 寒い冬という季節だからこそ、「アタタカサ」が心と体に染み渡る。

 大家族での暮らしが常であった私は、幼い頃から家族の絆、愛情に包まれ暮らし、ウリハッキョで出会った在日同胞の友人たちとの友情は今なお続く。また、社会人になってからも、職場にも恵まれ、友人や恩師、同僚とのやりとりや、自分を取り巻く環境から、私自身が「アタタカサ」をもらい、日々活力を得ていると実感している。人は逆境や困難に立ち向かう時、自分の中の限界や欠点、無力さに気づかされることが多い。私は今まさに、そんな時期を迎えている。

 毎日の暮らしの中で、自分自身が「アタタカサ」を自家発電できたら、また、その「アタタカサ」を、自分の周りの人たちや、もっと他の人たちとも共有することができたら。こんなことを思う日々、「やるべきこと」は見えてくる。今、私にとって一番興味があること、それは人をもてなすということ。自然と「アタタカイ、モノ」を人にもてなせるような、そんな自分になれるよう、「寒い季節」をなおいっそう感じていこうと思う。(高基純、臨床検査技師、フードコーディネーター)

[朝鮮新報 2008.2.15]