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文化センターで教えて

 「ポジャギをご存じですか? …みなさんも朝鮮の伝統的な手仕事、ポジャギにふれてみませんか?」。島崎先生の紹介で町田と横浜にある読売文化センターで講師を務めることになった時のリーフレットの始めと締括りだ。

 月に一度の講習だが自身病み上がりだったので少し迷いはしたが、必要とされるならと前向きに考え引き受けた。

 あまりメジャーでないポジャギに3、4人くらいからでしょうねぇ、という担当者と私の思いに反して両教室とも10人を超える受講者がいた。ちょっとびっくり。うれしい反面、教材の準備が大変という思いが交差する。

 初日、どきどきしながらの授業だったのを覚えている。教えることは難しくないがこれから一緒にポジャギを楽しむ仲間になっていってほしいので、合間に自己紹介やポジャギを始めようとした経緯などいろいろ聞き出しながらの会話に気を使った。

 両教室ともやはり韓流ブームの影響もあったが、もともとパッチワークや刺繍など、縫物が好きだという両方の思いが重なったようである。

 なかには言葉も習っているという人もいた。初日の授業の後、若い受講生が一人真っ赤な顔をして近づいて来る。小さな声で「チョー イルムン○○イムミダ(私の名前は○○です)」と自己紹介。「ネッ ネダレド コッ オセヨ(次回も必ず来てください)」と私は言った。

 みんな真摯な気持ちでポジャギを受け止めこの教室に来たのだとの思いと同時に、私自身の責任感を痛切に感じた日であった。(辛錦玉、主婦)

[朝鮮新報 2008.3.7]