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言葉

 私が日常使う言葉。日本語orウリマル。今の職場で働き始めた頃、終日あまり会話をせず一日を終えることもしばしばだった。最近は職場にも慣れ、南朝鮮から来たSEとも出会い、コミュニケーションをとるのがうれしい毎日だ。彼らは慣れないがていねいな日本語で優しく話しかけてくる。そして、私が彼らに完璧とはいえないウリマルで話しかけると、「高さんはていねいなウリマルを使いますね」と言う。

 何かこのやり取りがうれしくて、あらためてウリマルをしっかり習得しようと本を買って読み始めた。その甲斐あってか、通訳の仕事が頻繁にくるようになった。とくに資格はないけれど、自然に身に付いたこの言葉=母国語。

 先日通訳として、日本人の南朝鮮への旅に同行した。タクシー、レストランほかいろいろなところで、日本人に通訳しやりとりを進めていると、現地の人たちに言われたことがある。「本当に在日同胞なのか?」「日本へ留学している韓国人か?」と。その言葉がうれしくもあり、ちょっと胸に何か刺さる想いでもあった。つまり、在外同胞は言葉ができないのが一般的で、私は特殊なのだということを知ったから。

 ウリハッキョで当たり前のようにウリマルを話し、舞踊や歌、そして何より同じ民族としての絆を深めてきた私の学生時代。そんな場を与えてくれた同胞、そして両親にあらためて感謝の気持ちでいっぱいになった。あらためて気がついたこの思いを、今後の活動にたくさん込めていきたい、そう思う。(高基純、臨床検査技師、フードコーディネーター)

[朝鮮新報 2008.5.16]