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子どもたちは国の宝物

 ソルマジ(迎春)公演に出演する在日朝鮮学生代表団が到着して以来、平壌ホテルがにぎやかだ。

 電力事情が厳しい中でも、子どもたちに不便がないようにと、朝から蛇口をひねるとお湯が出る。2基あるエレベーターも動いており、1基は必ず稼動するようになった。ホテル内の喫茶店で働く女性従業員たちも、きれいな服に身を飾り、子どもたちを温かく迎えている。

 普段、食堂に降りていくと、天井に吊るされた大きな2つのシャンデリアに灯りがない。しかし、子どもたちが宿泊して以来、入場と同時にパッとつく。

 女性従業員はみな子どもたちの食卓へと移動してしまった。食事中も「食べたいものは何か」「味付けはどうか」と、いつも子どもたちを気にかけている。あるときなんかは、記者が席についてもおかずがなかなか運ばれてこない。完全に忘れられている。

 気づいた一人が慌ててお膳を運んできた。焦っていたのか、御飯をさして「御飯です」と説明するあたり、なんだか哀しくなってきた。話しかけてくれる人といえば、いまや食堂責任者の女性だけである。

 ホテル内に医者が常駐を始めた。売店にはお菓子とジュースの陳列スペースが増え、半袖のTシャツですごせるほど部屋の暖房も強化された。

 従業員は口を揃えて「日本にいる親に成り代わって…」と話す。「子どもたちは国の宝物」−という主席の教えが今も忠実に実行されている。(健)

[朝鮮新報 2009.1.19]