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京都で第4回フレンドシップコンサート 多文化共生の輪広げよう

 京都朝鮮第3初級学校チャリティー「第4回フレンドシップコンサート in 同志社−広げよう多文化の輪−」が1日、同志社大学寒梅館ハーディホールで行われた。民族教育に対する理解と支える輪を内外に広げると共に、多文化共生の輪を広げ京都第3初級の運営に貢献する目的で行われたコンサートには、800余人が参加して賑わった。

多彩な公演に喝采
 

京都第3初級幼稚園の農楽

 第1部は「音楽と映像でつづる多文化コンサート」と題して、京都第3初級と京都朝鮮中高級学校と京都朝鮮第1初級学校、京都朝鮮第2初級学校の生徒たちや鷹ヶ峰小学校、コレジオ・サンタナ学園(ブラジル人学校、滋賀県愛荘町)など日頃から交流のある学校の生徒たちが出演。朝鮮学校生徒たちは、合唱「花が咲きます」(京都第3低学年)や農楽「コマノンアク」(同幼稚班)、器楽重奏「ひづめの音響かせて…」(京都第2器楽部)など、愛らしく水準の高い演奏や舞踊を披露し、同胞たちはもちろん日本の人々から惜しみない拍手が送られた。

 また、京都中高吹奏楽部は「春が来た」を演奏し、民族教育の成果を知らしめた。

 一方、鷹ヶ峰小学校の43人の生徒による「よさこい」やコレジオ・サンタナ学園の生徒によるサンバも好評で、特に同志社大学邦楽部、京都第3と京都中高民族器楽部のコラボ「アリランと赤とんぼ」は多文化共生を形にした作品として喝采を浴びた。
 

洪昌守さんとのトークショー

 第1部では、公演の他にも各外国人学校の現状や校長のビデオレターなどの映像も上映され大きな感動と共鳴を呼んだ。

 神戸中華同文学校の金翼校長は、110年の歴史を持つ同校の現状について述べながら、力強い連帯のメッセージを送った。また深刻な不況による派遣切りなどにより、困窮するコレジオ・サンタナ学園の映像には大きな注目が寄せられた。京都インターナショナルスクールを紹介する映像も、同校の渉外推進責任者であるダンケン・フレッドさんの同時通訳もあり参加者たちの大きな関心を集めた。

 コンサート実行委員会では、特にコレジオ・サンタナ学園のナカタ校長をはじめ保護者たちが子どもの教育のために奔走する姿や子どもたちの天真爛漫な姿に心を打たれ、同校にも支援のチャリティー寄金を寄せることを決めた。

ウリハッキョのよさ実感
 

鷹ヶ峰小学校「よさこい」

 「トークショー『洪昌守と子どもたち』」と題して行われた第2部では、映画「月尾島」の主題歌の流れる中、元WBC世界スーパーフライ級チャンピオンである洪昌守さんがチャンピオンベルトを持った初級部1、2年児童たちと共に登場した。

 洪昌守さんは、「ウリハッキョに行ってよかったことは何ですか?」「好きな言葉は何ですか?」「尊敬する人は誰ですか?」「Jリーグに入るためにはどうすればいいですか?」など子どもたちの無邪気な質問に親切に答えた後、グローブをつけて子どもたちとのスパーリングのパフォーマンスなども行った。

 洪昌守さんは、ウリハッキョで学んで本当によかったと述べながら、夢を持つことと努力することは大切で、夢は必ず叶うと力強く語った。トークショーでは、ボクシングの先輩である大阪朝鮮第4初級学校の梁学哲校長からのビデオレターも紹介され、最後は京都第3の生徒を代表して周泰秀くん(6年)がウリハッキョでしっかりと学び、夢を叶えるために努力すると決意を述べた。

 フィナーレでは、実行委員会の共同委員長である板垣竜太・同志社大学准教授と洪永浩・アボジ会会長があいさつ。同コンサートは地域同胞の手作りだと述べながら、経済不況や在日同胞社会を取り巻く厳しい情勢により朝鮮学校を守り支えていくことは大変だが、今日のコンサートを民族の魂を守り、多文化共生の輪を広げていく機会にしようと努力してきたと語った。

 そのうえで、1世が築き、2世が受け継いできた民族教育、ウリハッキョを今後、3世、4世がしっかりと守り受け継いでいく決意を表明し同胞や日本の人々の協力、支援を訴えた。

 西陣商工会の南昌志会長は、「コンサートのテーマがはっきりと伝わりとても感動した。これからも引き続き成功させていこう」と感想を述べた。西陣青商会の金健一副会長は、「すべての内容がよかった。ウリハッキョの素晴らしさを再び感じることができた。洪昌守さんと子どもたちのトークショーがとてもよかった」と語った。【西陣分局】

[朝鮮新報 2009.3.16]