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愛知でポラムティア第1回学習交流会 「あいちモリコロ基金展開期事業助成」受け、100人の登録目標に

「伴走者として寄り添う支援を」

40人が参加した学習交流会

 NPO法人コリアンネットあいちボランティアネットワーク・ポラムティア事業の2009年度第1回学習交流会が18日、名古屋市内のウィルあいち会議室で行われた。

 愛知朝鮮中高級学校高級部の生徒たちや各朝鮮学校の教師たち、声帯がんを克服し名大病院で「食道発声訓練」ボランティア講師を務めている最年長ポラムティアメンバーの鄭慶謨さん(80)をはじめ、現場で活躍しているメンバー40人が参加した。

 「障がい者への自立支援とは何か」をテーマとして行われた今回の学習交流会には、静岡市指定障がい者相談事業所相談支援員の李恵順さん、臨床発達心理士として都立よつぎ療育園に勤務する成基香さん、静岡の介助派遣事業所で障がい者専門ヘルパーをしている宋慶一さんらが講師として招かれた。

 集いでは、3時間半にわたって障がい者体験学習、「障がい」についての概念整理、障がい者自身の自立運動のドキュメント映像の上映などが行われた。なかでも、愛知朝高時代にボランティアを経験したことのある宋慶一さんによる「待つことしかできない」「いつも心配なのは利用者さん本人が本当に満足しているかだ」との控えめな事例報告は参加者にとって印象深いものとなった。

体験学習も行われた

 また、コメンテーターとして招かれた「無年金外国人の年金差別をなくす会」会長で、24時間ヘルパーに支えられながらアパート生活を送っている鄭秀永さんは、自らの生い立ちを振り返りながら、施設への入所時に「これからしっかり勉強しろ」と言われたアボジの言葉が支えになった、でも学校に行きたかったと全身を振り絞りながら語った。

 あいちムジゲ会の卞鮮華会長は、自閉症の子の親としてパン屋を始めた思いを語り、知的障がい者事業所で働く李英子さんからは「社会的起業」への思いが語られた。

 今回の学習交流会は、障がい者自身の暮らす自由、権利を支え、彼ら自身が社会的な役割を果たす自覚と生きがいを感じる事が自立であり、そのための伴走者として寄り添う支援が必要なのではないかということを確かめ合う学びの場となった。

 コリアンネットあいちでは、ポラムティア登録育成を07年7月に開始。40人の登録者とともに、主に子育て支援事業を支えてきたが、09年度は、元気高齢者レクリエーション事業や朝鮮学校の保健学習支援事業、ニューカマーのための日本語マダン事業を支える事業計画を立て、「あいちモリコロ基金展開期事業助成」(100万円)を受けている。この事業を支えるため、4回の学習交流会を企画し、100人のポラムティア登録を目標としている。

 次回は「高齢者の心理と対応―認知症の不安と解消」について、7月18日に行う予定だ。(松)

[朝鮮新報 2009.4.27]