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鉄の約束

 「千里馬」「チュチェ鉄」

 これらの単語はいまや朝鮮経済を語るうえで代名詞となりつつある。昨年、独自の技術によってUHP電気炉の製造に成功した千里馬製鋼連合企業所は一躍、「時代の寵児」となった。

 今回、千里馬製鋼連合企業所と同企業所の傘下で「チュチェ鉄」を供給しているポサン製鉄所への取材を通じて、それを肌で感じた。同時に、2人の男が交わした20年来の「約束」についても知ることになった。

 その2人とは、「千里馬」のキム・ヒョンナム支配人と「ポサン」のパク・ソンチョル支配人だ。2人は清津鉱山工業大学の同窓生で、卒業後、ともに千里馬製鋼連合企業所に就職。「鉄をもって国の復興を誓い合う」仲だったという。

 「いつも会話は鉄で始まり鉄で終わった」とパク支配人は若き日を振り返る。90年代、工場の生産がストップし生活にも窮した「苦難の行軍」期、キム支配人との「約束」を思い出して何度も気を取り直したという。

 それから20数年、2人は国の基幹を支える企業の支配人になった。現在、金属工業部門は経済発展の生命線として位置づけられている。現実は、多忙を極める2人に1杯の酒を酌み交わす時間すら与えない。

 「わが企業所の運命は『ポサン』にかかっている」(キム支配人)

 「たとえどんなことがあっても『千里馬』に鉄を届ける」(パク支配人)

 2人の交わした「鉄の約束」は今、さらに強く息吹いている。(陽)

[朝鮮新報 2009.5.18]