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近畿を繋ぐ新線に期待

 阪神なんば線が3月20日に開業し、阪神電車と近鉄電車の相互乗り入れが開始された。ローカルな話題だが、沿線の住民にとっては大きな出来事だ。

 阪神電車(阪神電気鉄道)は大阪から神戸、近鉄電車(近畿日本鉄道)は大阪から奈良、京都、三重、愛知に延びる私鉄。開業した阪神なんば線は、阪神の西九条駅と大阪・ミナミの近鉄難波駅(共に大阪府)が繋がったもの。これにより、神戸、大阪、奈良が一本で結ばれた。

 3つの駅が新設された西九条−難波間は、建設距離約3.4キロ、営業距離約3.8キロにすぎないが、このわずかな距離が絶大な経済効果を生む。実際、阪神、近鉄両社は、4月の利用客、収入が予想を超えたと発表した。

 来年春には兵庫県の姫路−三宮間を走る山陽電気鉄道と阪神電車が相互乗り入れを果たす予定。3社は姫路から三宮、難波を経由し奈良、伊勢志摩、名古屋を結ぶ直通列車の新設を検討している。ダイヤ調整や列車の規格統一、JRとの競争など課題は残るが、とくにレジャーを中心に需要は高いと各社は見ている。

 早速、新線を利用して取材に向かった。下町、工業地帯を走る電車からの風景は、見慣れたJRの風景とは一味違った。新鮮な気持ちで向かった取材先では、それぞれの地域の味のある同胞たちのトークが新鮮味を増幅させた。

 花園、鶴橋、尼崎、灘、長田、姫路、同胞ゆかりの地を走る沿線には同胞が多く住んでおり、大阪、神戸朝高など朝鮮学校も多い。新線が同胞の新しい交流や活動を生まないか、期待が膨らむ。(泰)

[朝鮮新報 2009.6.1]