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京都・丹波マンガン記念館が閉館、強制連行と鉱山労働伝え20年

「歴史知り、真の和解を」

坑内を見学する参加者たち

 日本の植民地支配時代に朝鮮半島から強制連行され過酷な鉱山労働と苦しい生活を強いられた朝鮮人労働者の歴史を伝える「丹波マンガン記念館」(京都市右京区)が5月31日、閉館した。「閉館・出版・鎮魂パーティー」に同胞、日本人ら約300人が参加した。参加者たちは、落盤事故やじん肺被害で亡くなった労働者らに黙祷を捧げ、館内や坑内を見て回り、閉館を惜しんだ。追悼コンサートもあわせて行われた。

 同館は、16歳から鉱山で働いた在日朝鮮人1世の故李貞鎬さん(初代館長)と息子で現館長の李龍植さんが、強制連行の歴史を伝えるために3年がかりで私費を投じ、1989年に開館した。

 坑道内外には人形や実際に使用された工具が設置され、当時の過酷な労働と生活の実態を生々しく再現していた。資料館には採掘された鉱物や当時の写真、報道資料なども展示されていた。

 同館には20年間で延べ20万人が訪れた。だが行政の協力を得られず、資金難により閉館を余儀なくされた。

 李館長は「強制連行の歴史を一般の人に知ってもらいたい。それがこの記念館の意義だった。日本の植民地支配による加害の歴史を伝え、在日朝鮮人と日本人が互いを知ることが和解の道だ」と訴えた。(泰、次号に詳細)

[朝鮮新報 2009.6.5]