top_rogo.gif (16396 bytes)

第8回「北東アジア研究会」 朝鮮問題で討論、戦争遺跡見学

強制連行遺骨問題は人権問題

朝鮮問題に関する研究討論会

 朝鮮問題などを研究する第8回「北東アジア研究会」が6月7〜8日に岐阜県で開催され、研究者や市民らが参加した。

 初日、朝鮮問題をテーマに研究討論会が行われた。家正治氏(神戸市外国語大学・姫路獨協大学名誉教授)が「人工衛星打ち上げをめぐる国際法規」、名田隆司氏(愛媛現代朝鮮問題研究所代表)が「先軍政治から見た日米韓」というテーマで発言した。

 参加者たちは十分な資料と解説、問題提起に基づいて活発に意見交換した。

 今回の研究会では戦争遺跡の見学も企画された。

 各地から集まった参加者たちは、瑞浪市の戸狩山地下壕跡、釜戸地下軍需工場跡など強制連行跡地を見学。過酷な労働の実態や日本に残されたままの犠牲者の遺骨問題の現状などについて学んだ。地元の研究者である岐阜県朝鮮人強制連行真相調査団の加藤明事務局長が「強制連行の歴史的な背景」について語り、地下壕を案内した。

日本各地から駆けつけた研究者たち

 釜戸の地下壕は軍需工場として使用するため、終戦直前に突貫工事で掘られた。総距離1200メートル、500人以上の朝鮮人が働かされた。昼夜問わずツルハシで土を掘り、トロッコを押して土を運び出した。地下壕内には、当時の労働者たちが自分の存在を残すために刻んだと見られる「高」「金」などの文字が今も残っている。

 参加者たちは、強制連行の歴史や過酷な労働、戦後60年以上が過ぎた今も過去清算が置き去りにされている日本の現状について深く考えた。

 そして、強制連行犠牲者の遺骨問題に対する日本政府の不誠実な対応を嘆き、人間の尊厳に関わる遺骨問題を人権問題として考えなければならないとして、解決のための課題について話し合った。【岐阜県強制連行真相調査団】

[朝鮮新報 2009.6.29]