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朝大卒業生

 先月、朝鮮大学校学舎竣工50周年を記念する集いが同大学で行われた。

 朝大創立から3年後の1959年6月、東京・武蔵野の一角に建てられた新しい学舎。在日同胞は大学を運営した経験がなく、教員も少ないばかりか運営資金も満足にない厳しい状況の中、祖国からの教育援助費と各地同胞から寄せられた厚志により建設することができた。

 記念報告や半世紀をふり返った映像から、当時の様子がうかがえた。中央線・国分寺駅に赤旗を林立させ、大勢の同胞が集まり、朝大へと向かった。広い敷地にそびえ立った建物、中庭には国旗がなびき、同胞たちは喜びにあふれ、歌い、踊った。その歓喜の表情から、学舎竣工の意義の大きさをあらためて知った。

 同日、今年で9回を迎えた「朝鮮大学校同窓会奨励賞」の受賞式が行われた。同賞は、同胞社会や国際社会で著しい業績を残した卒業生たちに送られてきた。

 ここ数年、受賞者たちをインタビューしながら垣間見られたものは、彼らの不断の努力、同胞社会の発展に寄せる思い、そして朝大という「環境」下で、常に時間を共にした同級生らと切磋琢磨し合い、目標に向け進んできた姿だった。

 祖国と民族の繁栄に尽くし、在日同胞社会を率いる有能な人材を育てることを理念にしている朝大は、総聯イルクンや各級学校教員はもちろん、近年ではJリーガーや弁護士、公認会計士、科学者などさまざまな分野へと輩出している。

 朝大は同所への移転後、総合的な大学への道程をたどっていった。今後の卒業生たちの活躍に期待がふくらむ。(裕)

[朝鮮新報 2009.7.6]