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「在日朝鮮人歴史・人権週間」 神奈川・横須賀で東日本集会 強制連行、無年金問題などテーマに

在日朝鮮人の人権保障を

2009「在日朝鮮人歴史・人権週間」東日本集会(18日、横須賀)

 2009「在日朝鮮人歴史・人権週間」賛同イベントが各地で開催された。

 18、19の両日、神奈川県横須賀市で行われた東日本集会には同胞、日本人ら約120人が参加。朝鮮人強制連行の本質と実態に関する解説、被害者の証言、写真展示、建設のために強制連行が行われた軍用地下壕跡地などのフィールドワーク、在日外国人の無年金問題や在日朝鮮人に対する人権侵害の現状に対する報告が行われた。

 総連神奈川県本部の鄭喜Q委員長は「歴史・人権週間の活動が、誤った過去を清算し新たな歴史を作り、朝・日国交正常化と在日朝鮮人の人権保障の基礎となることを期待する」と述べた。

 人権問題に取り組む日本の市民団体関係者は「多くのことを学んだ。歴史と現状を正しく学んで運動につなげていかなければならないことをあらためて痛感した」と述べた。

 集会では、在日朝鮮人の人権確立と共生を目指し共に行動することを確認したアピールが採択された。

 また、岐阜(17日)、山口(18日)などでも集会が開かれ、強制連行や犠牲者の遺骨問題、在日朝鮮人の人権問題などについて話し合われた。8月29〜30日には、各地の活動と集会に基づき、愛知県で全国集会が開催される。(取材班)

朝鮮人動員の軍用地下壕も

横須賀市の貝山地下壕を訪れた参加者たち(19日)

 横須賀は古くから国防の拠点とされてきた。

 かつては日本海軍横須賀鎮守府、海軍工廠、航空技術廠、横須賀海兵団など軍の重要機関が存在した。そのため、横須賀には900以上の地下壕が張り巡らされていた(神奈川県下で1500)。

 その一つの貝山地下壕は一部が今も保存されている。軍の施設だったため造りが頑丈で、広く天井の高い部屋、炊事場、電線や通気口の跡、コンクリートで補強された階段などがしっかり残っている。だが、証言によると「素掘り」だったため、労働は「きつくて危険だった」。つるはしの跡が生々しく残っている。

 近隣の逗子市には約70カ所の地下壕が存在し、推計で延べ53万人以上が働いた。横須賀での動員の規模の大きさを示している。

 横須賀では数千人の朝鮮人強制連行があったことが公文書と戦後の調査資料から判明している。犠牲者の名簿も存在している。

 現在の米軍横須賀基地内にもこうした地下壕が存在しているが、立ち入り調査などは許可されていない。

〈東日本集会〉 強制連行の違法性、再確認

[朝鮮新報 2009.7.27]