１６日、平壌で行われた金正日総書記と南の現代グループ会長の会談の翌日、アジア太平洋平和委員会と現代グループは共同報道文を発表。中断状態にある金剛山・開城観光および離散家族再会の早期再開など５項目で合意した。

　同日は、くしくも米国と南朝鮮によるウルチ・フリーダム・ガーディアン合同軍事演習（１７〜２７日）が開始された日だった。

　朝鮮は一貫して「対話と戦争演習は両立しない」という立場を堅持してきた。過去にも戦争演習期間中はいっさいの対話を拒み、北南閣僚級会談をはじめあらゆる対話が先延ばしされた。６者会談にも応じなかった。

　今回も朝鮮人民軍最高司令部が特別警戒態勢令を下すなど、厳しい態度を取っている。

　それだけに、このタイミングでの合意発表に驚きを覚えた。異例中の異例だといえる。同時に、北側の強い意思と重い決断というものを感じた。

　３日後の２０日には、昨年１２月から取ってきた軍事境界線通過制限の解除を南側に通告した。

　その翌日、金大中元大統領の死去に際し高位級の弔問団を派遣。南の当局者と接触した。北の幹部の南訪問、北南高位幹部の接触はともに、李明博政権発足後、初めての出来事だった。

　これら動きの前には、米国のクリントン元大統領が電撃訪朝した。

　一連の流れが、膠着状態にある北南関係の進展、真の朝鮮半島の平和・安定へとつながることを期待する。（姜）

［朝鮮新報 2009.8.24］