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各地で朝鮮人犠牲者追悼会 真相究明し、遺骨返還を

京都・舞鶴市佐波賀 「浮島丸」爆沈から64年

「浮島丸」が爆沈した佐波賀の海に花を投げ入れる参加者たち

 「浮島丸殉難64周年追悼会」が24日、京都・舞鶴市佐波賀の「浮島丸殉難者の碑」の前で営まれた。総連京都府本部の李時雄副委員長をはじめとする同胞、斉藤彰・舞鶴市長と地方自治体の議員および職員、「長生炭鉱の『水非常』を歴史に刻む会」の内岡貞雄氏をはじめとする日本人ら300余人が参列した。

 総連三丹支部の池勝一副委員長が追悼の辞を述べ、祖国解放の喜びを抱き夢にまで見た故郷に向かう船に乗った先代の貴重な命が無残にも奪われた悲劇について言及し、日本は580余人の犠牲者に対して賠償も公式謝罪もいっさい行っていないと指摘。真相究明すらしていないことを非難した。

 追悼会では、朝鮮人強制連行真相調査団朝鮮人側中央本部団長の総連中央・高徳羽副議長から送られてきた追悼メッセージが読み上げられた。

追悼歌を捧げる京都中高声楽部の生徒たち

 メッセージは、故郷に帰ることができない犠牲者280人分の遺骨が日本政府の無責任な対応によって東京・祐天寺に残されている現状、朝鮮に対して不当な制裁を課している現状に触れ、日本政府に対する憤りを表明。事件の真相究明を要求するとともに、アジアの平和と友好親善、朝・日国交正常化実現に向け力を尽くしていくことを強調した。

 また、主催者を代表し「浮島丸殉難者を追悼する会」の余江勝彦会長と民団支団長が追悼の辞を述べ、京都朝鮮中高級学校声楽部の生徒たちが犠牲者を追悼する歌「はまなすの花咲きそめて」を歌った。

 参列者たちは、犠牲者の冥福を祈り、「浮島丸」が爆沈された佐波賀の海に向かって花を投げ入れた。【京都支局】

東京・目黒区の祐天寺 戦争犠牲者の遺骨安置

 第21回朝鮮人戦争犠牲者追悼会が24日、東京都目黒区の祐天寺で行われ、同胞、日本人ら約70人が参列した。

 追悼会では読経に続いて参列者たちが焼香し、世話人の梁大隆氏が追悼の辞を述べ、目黒区長から送られてきたメッセージが読み上げられた。

 追悼会は、世話人の小林喜平、鈴木公一氏をはじめとする日本市民たちが「目黒の街に沈んでいる悲しい戦争の歴史をみんなで考え、平和への誓いの日にしよう」と毎年催してきた。

 この日、参列者たちは納骨堂を見て回り、犠牲者たちが60年以上も故郷に戻れずにいる悲しみを共有した。追悼会後、場所を移して懇親会を行い、「遺骨を一日も早く遺族のもとに返してあげよう」などと話し合った。

 祐天寺には、「浮島丸」爆沈事件(1945年8月24日)の犠牲者と元日本軍軍人軍属被害者の遺骨が安置されている。昨年から3回にわたり南朝鮮と日本の政府間で遺骨返還事業が実施され、204人分の遺骨が南に返還された。現在、931人分の遺骨が残っており、そのうちの431人分(約46%)は朝鮮半島北部出身者のものだ。

 2004年に民間団体が北の遺族を招待したが、日本当局の妨害で入国できなかった。その後、朝鮮は5人の犠牲者の遺族を探し出した。日本政府は人道的見地から入国を認め、北南犠牲者の遺骨を差別なく返還すべきだ。

[朝鮮新報 2009.8.28]