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「ムジゲ会」全国交流会 発足15年、活動の幅さらに広げ

「わが子も民族の一員を再確認」

 今年で7回目となる「ムジゲ会」全国交流会が8月22〜24日、京都で行われた。発足当初は子どもたちをいかに育てるべきかという不安と、「なぜうちの家族だけが」という思いしか抱けなかったという「ムジゲ会」のメンバーたち。しかし今は子どもたちの就職、進路について考えることができるようになった。この変化は「ムジゲ会」活動の15年の結実であり、同胞社会にあるノーマライゼーションの理念と相互扶助の精神の賜物と言える。

各地から120余人のボランティアが集合

初日に行われた歓迎公演

 全国交流会の開催にあたり、京都同胞たちの尽力のほか各地から集まったボランティアも協力を惜しまなかった。近畿、 関東地方をはじめとする各地から120人余りが集まった。中には朝高生や朝大生、京都の民族学校教職員も多数いた。障がいのある同胞1人に対して2人以上のボランティアが付き添い、食事介助や観光地の引率など献身的に務めた。

 初めてボランティア活動を行ったという留学同京都の徐学柱さん(京都大学4回生)は、「車椅子に乗った同胞を担当した。コミュニケーションが取れるだろうかと不安だったが、表情で楽しんでいることを感じることができた。普通の子どもたちとなんら変わりないことを知った。これからも機会があるかぎりボランティア活動に励みたい」と話した。

 2日目は子どもたちと親が別々に観光コースを回った。

 父母たちは、「京都同胞たちのおかげで一日を心行くまま過ごすことができた。本当にありがたい」と述べ、自分の子どもたちを任せられるほどボランティアたちが成長していることがとても喜ばしいと満足気に話した。

 京都朝鮮中高級学校の李相大教員は、同胞障がい者音楽サークル「Tutti」の活動を通して朝鮮大学校の在学時から障がいのある子と、その家族との交流を深めてきた。

 李相大教員は、「交流を通して学ぶことは多く、日が経つにつれ重要性を感じる」と言う。また、よりよい同胞社会のために障がいのある同胞を受け入れる体制をしっかりと創っていきたいと話し、交流を深めることがその第一歩になると指摘した。

 「『Tutti』卒業生」と呼ばれる朝大出身者は現在各地にいる。それぞれ同胞社会に障がい者への理解が深まるよう力を傾けている。

悩みを共有、明るい気持ちで明日を考える

いろいろな話で交流を深めた

 懇親会では子どもたちとその家族たちの現況が報告され、経験談が披露された。

 就職の成功例や進路問題が語られる一方で、子どもを亡くした母親の心痛い話も伝えられた。

 それでも懇親会が明るい雰囲気で行われたのは、未来を語れるようになったからだ。

 ある父母は、明日のことを考えないようにして生きることを心に決め、日々を送ってきたが、今では子どもが今の自分の年齢になった時のことを考えるようになったと話す。不安がないわけではないが、一筋の希望が同胞社会にあると言う。

 また別の父母は「ムジゲ会」の15年の活動は、自分がそうだったように、闇の中で一人、手探りで悩まなければいけなかったことが、今は悩みを共有することができるようになり、少しでも明るい気持ちで明日を考えられるようになったと話す。

 「ムジゲ会」の申桃順会長は、「ムジゲ会」のメンバーは同胞社会の中で子どもたちを育てることを決めた人たちであることを強調する。「ムジゲ会」では喜怒哀楽を分かち合うことをモットーとしている。

 申桃順会長は、「ボランティアが自ら進んで足りない知識を学び、日々障がい者のためにと、成長している姿に私たち家族はとても大きな勇気と力をもらっている。感謝の気持ちでいっぱい」と述べ、それだけにボランティアのいっそうの成長を期待していると話した。

 そして、今後はいまだ残る差別意識を無くすため、民族と関連した人であれば、すべてを受け入れながら活動の幅を広げていきたいと語った。

 参加者たちは同胞社会の協力を仰ぐばかりではなく、自分たちでできることは主導的に行っていこうと語り合った。京都在住のある同胞父母は、京都「ムジゲ会」を再建し、まだ見ぬ同胞たちの力になれるよう活動を発展させたいと話した。

同胞社会で喜びと悲しみ分かち合いたい

「統一列車」で楽しく過ごす

 バーベキュー大会では、子どもたちが父母に、ボランティアの協力を受けながら作ったメッセージカードと、自分たちが焼いたバーベキューをプレゼントした。カードは前日のレクリエーションの時間に作ったものだ。メッセージカードには、「オモニいつもありがとう」「オンマ海に連れてってくれてありがとう」といった感謝の言葉が並んでいた。

 父母たちはこの「サプライズプレゼント」に感動し、子どもを抱きかかえ喜んだ。

 バーベキュー大会が終わるとその場は、感謝の気持ちを伝える場になった。

 京都の各団体の代表たちは、この経験を次の活動にいかしていきたいと述べながら、これからも協力を惜しまないと約束した。「ムジゲ会」のメンバーたちは、わが子も民族の一員であることをあらためて確認できたと涙ながらに語り、今後も同胞社会で喜びも悲しみも分かち合っていきたいと切実に語った。

 全国交流会の実務を担当した総連京都府本部権利福祉部の金秀煥副部長は、「準備を進める中で感動することがたくさんあった。総連京都の潜在力を確認し、同胞社会の良心を汲み取ることで、むしろ自分たちが輝けるようになった。交流会に携われたことを誇りに思う」と話した。

 「障がい者たちに世の光を」ではなく、「障がい者たちを世の光に」という精神は、ノーマライゼーションの重要な理念である。これは障がい者を排除するのではなく、同じように社会生活を送ることが正常であり、それが価値ある社会だという意味だ。

 全国交流会の成功は、障がいのある同胞のために奮闘する活動家と同胞たち、そして明るく豊かな同胞社会の一端を垣間見せてくれた。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2009.8.31]