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教員たちの夏休み

 今年も8月中、各地で各級学校の教員たちによる講習が行われた。英語や日本語、理科、情報処理、音楽、美術など科目別に分かれ泊りがけの日程だ(国語は、祖国で開催)。

 取材で訪ねた英語と日本語の講習では、模擬授業や教案の作成、討論などを通じて、教授力の向上、効率よい授業の在り方を模索し合っていた。

 数日後、都内で教員をしている友人と会う機会があった。彼女は、「社会に出てからは、学生時代とはまた違う意味で、夏はあっと言う間に過ぎていく」と話す。

 学校は夏休みだが、講習のみならず、部活指導や2学期の授業、学校行事の準備に追われる。聞いただけでも目まぐるしいスケジュールだった。

 地方では、夏休み期間を利用して、寄宿舎で暮らす生徒の家庭訪問を行うという。

 学生時代は、生徒と同じように教員たちにも長い夏休みがあると思っていた。一般社会では、1週間前後が普通なので、「教員は楽だな」と安易な考えをしたものだ。

 前述の取材の折、夏休みも講習なんて大変ですねと、何気なく投げかけた記者の言葉に、ある教員はこう返した。

 「いや、いい機会だよ。無責任に教壇には立てない。教員の資質がそのまま生徒たちに反映されていくから」

 なるほどと思った。なんといっても教員は、生徒たちの将来を預かっているのだから。(裕)

[朝鮮新報 2009.8.31]