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東京・荒川「韓国・朝鮮人殉難者追悼式」

「暴力、再び繰り返されないために」

 関東大震災時、多くの朝鮮人が虐殺された東京・荒川の旧四ツ木大橋土手(現在の木根川橋)で5日、「韓国・朝鮮人殉難者追悼式」と「追悼碑」完成披露の集いが行われ、同胞はじめ各界市民ら約300人が参列した。「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」(矢野恭子代表)が主催した。

仮設の祭壇に献花をする参加者たち

 式では矢野恭子代表らが追悼の辞を述べ、犠牲者に冥福を捧げた。また「アリラン」「鳳仙花」の歌が流れる中、献花が行われた。

 矢野代表は追悼辞のなかで「地元のお年寄りの証言などから、震災時、旧四ツ木大橋付近で朝鮮人虐殺が行われたことが明らかになっているが、現在にいたっても国による真相究明・名誉回復がなされていない」と指摘し「虐殺の主体を明確にし、このような暴力が再び繰り返されないために事実を語りついでいかなければならない」と述べた。

 「追悼する会」は、1982年の発足以来、毎年同地で追悼式を行ってきた。91年からは「歴史的事実を風化させないため」追悼碑建立事業に取り組んできた。

 西崎雅夫さん(グループほうせんか代表)は、「過去の歴史を形として残すことは、公的な真相究明が果たされず、虐殺の事実を目撃証言でしか立証できない現状のなかで非常に重要な意義を持つ」と強調し、碑を恒久的に後世に伝えるためにも引き続き多くの支援者・賛同者を得られるよう力を傾けて行きたいと語った。

 同会立ち上げ当初、約50人だった会員は現在、賛同人あわせ600人を超える。この間、当時の証言聞き取り調査や南朝鮮への訪問調査、定期的な学習会やチャリティーコンサートを行ってきたほか、 92年には証言集も出版した。

 「日本政府による歴史わい曲の動きが強まるなかで、何もしないということは事実隠ぺいに加担することになる。今後も日朝の真の友好発展に向け積極的に活動していきたい」(矢野恭子代表)。

 同会では10月24日に、追悼碑建立報告会を予定している。(周)

[朝鮮新報 2009.9.10]