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「先輩超え」に期待

 地域同胞のサッカー大会に参加した。「相手が先輩だろうが遠慮せずガンガン当たっていけ」という先輩の「命令」に押されながら懸命に走った。先輩たちは、腹がでていようと足がもつれようと、朝高生と変わらぬ目の輝きで懸命にボールを追いかけた。そんな姿を見ていると、「足が痛いから交代させてください…」とは口が裂けても言えなかった。

 プレーの後は、決まって食事をしながらサッカー談義に興じる。飲食店を営むある同胞は店の常連の先輩に、W杯が始まるまでに50インチ薄型プラズマテレビを店内に設置するよう「命じ」られた。店に同胞たちを集めて朝鮮代表の試合を観戦しようという魂胆らしい。店主は「そんなテレビは店に置けないし、高くて買えません…」とは口が裂けても言えなかったそうだ。朝高時代の先輩後輩関係は永久不滅なのか。

 サッカー談義は毎回、「朝高の強化」に話題が行き着く。試合結果に一喜一憂し、プレーを批評する姿は、Jリーグのサポーターのようだ。だが、酒が回り、批評が学校や指導員への批判につながると、「子どもたちが楽しくサッカーできるように応援してあげましょう」と先輩を諭す後輩のささやかな抵抗が見られる。

 後輩には「先輩超え」が求められる。在日朝鮮学生中央体育大会のサッカー競技では中・高級部の選手たちが今年も熱戦を繰り広げた。とくに全国大会を明確な目標に掲げる東京朝高は、中・高ともに優勝。全国大会初出場に期待を抱かせる。「やっぱり東京が強くなくては」。大阪の同胞の温かいエールだ。(泰)

[朝鮮新報 2009.10.5]