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親子で夜会に参加して

 家族でどこかへ出かける機会がほとんどなくなった。小学生の頃まではいろんなところに連れて行ってもらったものだが、気が付けば連れて行く側に立ったということか。

 先日、居住地域の同胞夜会があった。親子で支部に向かう。そろって行事に参加するのは久しぶりのことだ。少し照れくさい。早い時間だったが、支部に到着すると温かい歓迎を受けた。しかし、遊びできたわけではない。最初の会合に出たきり、出張に出てしまい肩身は狭いが、実行委員の一員である。準備用品の搬入、搬出、そして案内と仕事は多い。

 夜会は滞りなく進む。売店は軒並み完売だ。成功の実感が沸いてくる。最後はなじみの抽選会。この抽選会で予期せぬ幸運が舞い込んだ。なんとオモニが特賞に当選してしまった。賞品は10万円分の旅行券だ。実行委員の家族が特賞では、身内ひいきすぎて洒落にもならないと思ったが、異議など出ず、祝福の拍手がわき起こった。目録を手にし、舞台上で感謝を述べるオモニを見て、みんなが主人公になれる場所がどれほどあるだろうかと思った。「新婚旅行の足しにしなさい」と、笑みを浮かべて言ったのは友人のオモニだった。「おせっかい」が、心地の良い場所がどれほどあるだろうか。

 敬老の日に際し、子どもたちから祝福を受けた同胞たちの満面の笑み、同胞の喜びからまた喜びを感じていた子どもたちを見て確信する。「居場所がある」「居場所を作り合う」−それはとても豊かであると。豊かさを守る側にしっかり立ちたい。(丘)

[朝鮮新報 2009.10.13]