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忘れられた懐中電灯

 10月中旬、平壌ホテルに宿泊していた在日同胞祖国訪問団や総連川崎支部代表団、総連活動家代表団などがいっせいに出国した。その直後、ホテルは「停電」に。ホテル関係者の説明によると、停電ではなく設備の一斉整備点検を実施したという。水道も一時止まり、自家発電機が回る音も聞こえた。

 「停電」でふと思い出したのは、本紙平壌支局事務所の棚の奥にある懐中電灯の存在だ。数年前までは平壌滞在の必需品で、どこに行くにも常に懐中電灯を携帯していた。しかし現在は不用のものとなった。今回の祖国訪問期間、停電を一度も経験していない。

 そんなことを考えていると、最近工場などでの撮影取材がとてもスムーズなことに気づいた。数年前は停電で設備が稼動せず、現場で電気が来るのをひたすら待つこともあった。最近はどの工場に行っても活発だ。

 「平壌の人も街並みも一変した」

 今年、久しぶりに祖国を訪問した在日同胞は口々にこう感想を語っていた。また、活性化する経済全般と仕事に励む人びとの表情から、「2012年の強盛大国建設」に確信を持つことができたと語っていた。朝鮮では4月からの「150日戦闘」に続いて現在「100日戦闘」が繰り広げられている。国内のあらゆる単位で成果が報じられ、新たに操業を始めた工場なども少なくない。一時凍りついていた北南関係にも好転の兆しが見えている。

 取材すべき事柄、書くべき記事は山のように多いが、これこそ記者冥利に尽きるというものだろう。(姜)

[朝鮮新報 2009.10.26]