top_rogo.gif (16396 bytes)

「親北集会」?

 10月16日、東京都内で行われた6.15共同宣言、10.4宣言固守・実践海外同胞大会に参加する海外同胞代表団を同行取材した時のこと。

 日本滞在期間中、終始笑顔の一行だったが、唯一顔をしかめる場面があった。大会の会場周辺で「救う会」などの諸団体が行っていた抗議集会を見た時だ。

 「拉致被害者を帰せ」「核、ミサイルの開発を中止しろ」。主語の多くは「北朝鮮」だった。統一を願う想いを表現する大会と「拉致、核、ミサイル」に何の関係があり、どうして「北の代弁集会」になるのか−。こう話す海外代表の表情は憤りと悲しみに満ちていた。

 日本当局は今回、「北朝鮮国籍」所有者という理由で在中国代表の入国を拒否。空港では理由も告げずに旅券を預かったまま、海外代表を長時間足止めにした。産経新聞にいたっては、大会を「親北集会」と呼ぶありさまだ。ロシアから来たキム・チョンシクさんは、「13年ぶりの訪問だが、朝鮮バッシングは当時よりひどい」とため息をついていた。

 さらに、大会参加者一同を唖然とさせたのは、あろうことか同族である民団が抗議集会を開いていたことだ。

 異国の地で数十年にわたって統一運動に身を捧げてきた元老たちに向かって「独裁の走狗は恥を知れ」と言い放つとは。「恥を知る」べきはどちらの方なのか。日本社会の反朝鮮、反総聯バッシングに迎合することによって自らの「無罪、潔白」を訴えようという心象が透けて見える。「親日派のお手本」のような振る舞いが嘆かわしい。(相)

[朝鮮新報 2009.11.16]