top_rogo.gif (16396 bytes)

崇高な志こそ「武器」

 子どもを朝鮮学校に送るか日本の学校に送るか−取材先でよく話題に上るが、根底には子どもの進路に対する親の不安があることが多い。「やっぱり日本は学歴社会だから…」。根本は、厳しい社会を生き抜くために「武器を身につけてほしい」という願いに行き着く。

 日本は学歴と収入の相関が他国に比べ低いから学歴社会とは言えないという指摘もあるが、やはり何か「武器」を持っていた方が「安定した生活を送れる」という状態に近づけそうだ。少なくとも親の不安を一部解消してくれる。

 「武器」の中でも国家資格は強力だ。国家が専門的な知識や技術を持っていることを認めるものなので当然だ。

 だが、どこの議論の場にも「朝鮮学校派」に助け船を出す人がいる。

 「武器を持つことよりも、誰のために、どのように使うのかを考えるべきだ」

 朝鮮大学校は多様化する同胞社会のニーズに応え、1999年度に法律学科、2003年度に短期学部などを新設し、より専門的な知識を身に付けた人材の育成に努めてきた。04年以降、司法試験、保育士試験、税理士試験などの受験資格を得てからは、国家資格を遠回りすることなく目指せるようになった。法律学科卒業生から弁護士が誕生し、在学中の公認会計士試験合格者も輩出した。

 朝大の理念はもとより、こうした資格取得者の多くが「同胞社会に貢献したい」と口にする。崇高な志が厳しい試験を勝ち抜く活力であり動機でもあった。

 大志を育む朝鮮学校の民族教育を見つめ、最善の選択をしてほしい。(泰)

[朝鮮新報 2009.11.24]