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私事

 私事になるが、初級部6年から20代までバレーボールをやっていた。三十路に突入すると同時にぴたりとやめ、一般や学生、生徒など各種の大会を取材する機会にも恵まれなかったので、「過去」を封印していた。

 そんな中、11月に大阪で行われた在日本朝鮮人バレーボール選手権大会を取材する機会があった。高校、大学時代の恩師や先輩、後輩たちと久しぶりに再会し、選手たちのプレーを見ているうちに、「また、バレーボールをやってみたい」という気持ちになった。

 とはいえ、10年もブランクがあったため試合の合間にボールを借りてみたがまったく手になじまず、レシーブをすればいわゆる「素人アザ」(腕に紫色の小さな斑点が無数に出てくる状態)ができる始末。

 そんな姿を見ていたにもかかわらず、大会事務局を務めていたある先輩が、来年の大会は東京で行われるということもあり、「停滞する在日同胞バレーボール界を盛り上げるためにも、『おじさんチーム』を作って出場するので参加するように」という「命令」を下した。

 いい年をした「おじさん」が大会に出場したからといって、在日バレーボール界が盛り上がるとも思わない。それでも一石を投じるくらいにはなるかと、「久しぶりにバレーボールをやろう」とトレーニングに励んでいる。

 しかし、自己統制力が極めて弱いので、この場で公表することで自分を追い込もうと、私事を綴った次第である。(松)

[朝鮮新報 2009.12.14]