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運動の正当性、司法で再確認 日比谷公園使用許可取消訴訟

東京地裁 都に賠償命令

 既報の通り、2007年3月3日に行われた「3.1人民蜂起88周年在日本朝鮮人中央大会」の会場となった東京都立日比谷公園大音楽堂の使用承認を、都が直前になって取り消した問題で東京地裁は3月24日、総連側の訴えを認め、都に慰謝料や行政訴訟費用などの支払いを命じた。

「民主主義否定」
 

2007年3月3日、東京都立日比谷公園大音楽堂で行われた「在日本朝鮮人中央大会」

 判決で須藤典明裁判長は「都は暴力をもって集会を妨害しようとする者を排除して少数者の権利を保障するようできる限りの努力を尽くすべきであった。右翼団体の抗議活動による混乱を回避しようとして、慎重かつ十分な検討を経ることなく使用承認を取り消したのは違法だ」と述べた。

 また、「民主主義の下では暴力的手段によって集会を妨害することは許されない。暴力による妨害を規制し阻止すべきであり、平穏に集会を開催しようとしている者の行為を規制して禁止するのは本末転倒。地方自治体が右翼団体の威嚇に屈して民主主義の根幹を否定するもの」と厳しく指摘した。

 判決後、報告集会と記者会見が行われた。

 原告側弁護団は「総連に対する政治弾圧、在日朝鮮人に対する人権侵害が続いているなかで、勇気ある判決を下した。一定の評価ができる判決」と意義を強調した。

 また、いくつかの民間施設が右翼団体の抗議を理由に、集会場所としての利用を拒否する事件が発生したことに言及し、「集会を開催する権利が暴力によって妨害されてはいけない。日本社会の民主主義を問う上でもエポックメイキングな重要な判決だ」と指摘した。

 集会の実行委員長だった総連中央の高徳羽副議長兼権利福祉委員会委員長は「判決は至極あたりまえの判断である。中央大会は、日本政府による戦後最大とも言える政治弾圧と人権侵害の不当性を広く訴えるべきとの声を集大成した集会だった。われわれの平和的な権利擁護運動の正当性が認められ、日本社会における民主主義が守られた。在日朝鮮人の権利擁護運動の歴史の1ページに刻まれる重要な判決だ」と指摘した。

訴訟の経緯

 総連中央は2007年、安倍政権下で敢行された総連弾圧と在日朝鮮人への人権侵害の不当性を日本社会に広く訴えるべきだという同胞や日本市民の切実な要望に応え、集会の開催を決定。会場として都立日比谷公園大音楽堂の使用を申請、利用料を納付し、使用の承認を受けた。

 しかし、都は右翼団体による抗議行動などによって「混乱が予見される」ことを理由に、大会の5日前になって急きょ使用承認を取り消した。総連側は取り消し処分の効力停止を求める行政訴訟を提起。東京地裁はそれを認め(同年2月28日)、東京高裁も都の抗告を棄却した(同年3月1日)。集会は大きな混乱なく開催された(同年3月3日)。

 日本国憲法21条、地方自治法244条などは「集会の自由」を保障している。「公の施設の利用を拒むことができるのは…警察の警備等によってもなお混乱を防止することができないなど特別な事情がある場合に限られる」(最高裁第二小法廷平成8年3月15日判決)。にもかかわらず、都は必要な警備や警戒の準備をせず、混乱の可能性についても十分検討しないで使用承認を取り消した。

 一方、原告側は、使用承認の取り消しが安倍政権下での政治弾圧に便乗した都の主導で故意に行われたもので、総連の社会的評価が低下させられたと主張していたが、東京地裁はこれらを否認した。

 原告側は記者会見で、こうした点も踏まえ対応について協議するとしながら、都は違法性を認め謝罪すべきだと訴えた。

 都建設局は「主張が認められず遺憾だ」として、今後の対応を検討するとした。(泰)

[朝鮮新報 2009.3.30]