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市民団体と総連の代表 大阪府知事らに要請書 「朝鮮児童のための措置を」

 「日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪」(日朝市民連帯・大阪)の有元幹明、永久睦子共同代表、「アプロハムケ・ネットワーク」(大阪市内の朝鮮学校を支援する会のネットワーク組織)長崎由美子代表、総連大阪府本部の朴栄致国際統一部長が4月23日、大阪府庁を訪ねた。

 代表らは、朝鮮の人工衛星「光明星2号」の打ち上げ(4月5日)に対し、日本政府が不当な対応をとっている中で、大阪府下の朝鮮学校や日本学校に通う在日朝鮮人生徒に対する暴言、暴行、嫌がらせなどが起きないよう自治体が対策を講じることなどを求めて、橋下徹大阪府知事、大阪府教育長、大阪府議会議長にあてた要請書を担当者に手渡した。

 またこの日一行は、大阪府議会各会派を訪ね、同要請書を配布した。一連の行動には大阪府議会議員が同行した。

 要請書は、「日朝市民連帯・大阪」が、日本国首相自らが署名した日朝平壌宣言に則って日朝両国の不正常な関係を正すよう政府に働きかけるとともに、日本で最も多くの在日朝鮮人が暮らす大阪で、日本人と朝鮮人が互いに尊敬しあって一緒に生きたいと願って行動してきたことに言及した。

 また過去、日本と朝鮮の国家間の政治的対立が激化したとき、女子生徒のチマ・チョゴリがナイフで切られるなどの暴力事件がひん発したばかりでなく、在日の子どもたちが在籍する日本学校では、「朝鮮に帰れ」などの暴言をあびせる心痛いできごともひん発したと指摘した。

 そしてこうした事実は、朝鮮人がなぜこんなに多く日本で生活せざるをえなかったのかなどの歴史教育が浸透していない日本社会の現状を映し出しているのではないかと強調した。

 そして、朝鮮の人工衛星打ち上げのニュースが伝えられるや、またも不穏な空気が流れており、今回も国家間の問題で在日の子どもたちが決して暴力にさらされないよう目配りを強めなければならないと強調し、@日本学校の中でいじめの事象がないか、丁寧に調査すること、A日本学校における、日本と朝鮮の近現代の歴史教育と、人権教育になおいっそうの力を入れ、また社会教育の場においてもあらゆる機会をとらえて取り組みを強めること、B通学時の安全にできるかぎりの配慮と手だてを講じることを強く要請した。

 また大阪府担当者との面談席上では、橋下徹知事がさる4月6日の記者会見で、「大阪にも多くの北朝鮮籍の人が住んでいる。言論の自由が保障されている日本に住む北朝鮮籍の人は、北朝鮮の今の体制について厳しく批判しないといけない。国民に変える気概がなければ、国は変わらない」などと極めて政治的問題を含んだ暴言をしたことに関し、「北朝鮮籍」など法的に存在しないばかりか、府民の安全を守るべき知事として極めて不適切な発言だと強く抗議した。

 これに先立ち一行は4月20日、大阪市会議員を訪ね同様の趣旨について要請した。【大阪支局】

[朝鮮新報 2009.5.20]