top_rogo.gif (16396 bytes)

カナダ教育関係者が神戸初中を訪問 「日本政府の差別政策明らか」

共同コミュニケ通じ提言

 神戸・カナダ教育文化交流事業の一環としてカナダの教育関係者が来日、4月22日に神戸朝鮮初中級学校をはじめとする民族学校と日本学校を訪問したほか、24日には「みんなで考える『ヒューマン・ライツ』」(主催=同実行委、後援=兵庫県、兵庫県教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会)を開催し、共同コミュニケを通して文部科学省に対し、日本国内で生活するマイノリティーの民族者の人権、学習権をないがしろにしてはいけないとする提言を行った。提言は、各学校教師との交流を通して浮き彫りにされたものだ。メンバーの一員として女優のオリビア・チェンさんも来日した。

人権侵害の是正 緊急な課題

一行は授業を参観し、生徒たちと交流を深めた

 神戸朝鮮初中級学校を訪れたのは、小学校〜大学教員、教育委員会、歴史問題研究者などの11人。2004年からカナダの教育関係者は、「平和と和解のスタディ・ツアー」を展開。アジア各地を訪問し戦時下の生存者、歴史家、学者から多くの証言を集め、史跡の歴史性の検証を行ってきた。120人のカナダ人教師は第二次大戦中に日本軍が犯した残虐行為の聞き取り調査も行っている。

 園児たちから歌と踊りの歓迎を受け、各学年の授業を参観した一行は、金錫孝校長から、強制連行と朝鮮学校創設の背景、4.24教育闘争をはじめとする権利獲得の歴史について話を聞いた。また、「神戸朝鮮初中級学校」と書かれた表札が赤いペンキで汚されるなどのいやがらせや、いわれのない脅迫、暴力事件についての聞き取りも行なった。

それぞれの今後の活動について語る金錫孝校長とジョゼフ・ウォン博士

 話は現在も残る助成金、税制上の差別からくる苦しい学校運営にも及んだ。

 金錫孝校長は、「自分たちの生活よりも子どもたちの未来のほうが大事だ。その誇りが我々教員を支えている」と発言。一行は大きな感銘を受けていた。

 この他にも一行が「驚いた」というのは、朝鮮学校卒業生の大学入試資格を日本政府が認定していないことと、朝鮮学校、中華学校が依然、法制度上、自動車教習所と同じカテゴリーに位置づけられているということだった。

「マイ ネーム イズ…」。カナダからの訪問者に英語で挨拶する生徒

 代表のジョゼフ・ウォン博士は、「訪問を通して在日コリアンに対する日本政府の差別政策が明らかになった。驚きを隠せないものばかりだった。我々は朝鮮学校の教育関係者へ敬意を表し、在日コリアンに対する差別的政策がなくなるよう働きかけていきたい」と述べ、多くの市民が共存共栄出来る社会作りへの理解を深めて欲しいと呼びかけた。

 一行の来日をコーディネートした、神戸国際支援機構・岩村義雄主幹は、日本人教師との交流では、大陸に侵略していない、十分謝罪したという意見が出たことで、彼らに日本側の見識が遅れているという印象を与えてしまう場面もあったと指摘しながら、「真実、正義を貫く姿勢を改めて決意した」と語った。

 共同コミュニケは、今も続く民族的差別は若者たちの間でも決してなくなっていないとしながらも、阪神淡路大震災では日本人と在日外国人が相互に助け合いライフラインがない逆境を乗り切ったことを振り返り、人権侵害の是正を求める提言を緊急な課題として神戸から発信するとした。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2009.5.13]