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北海道在日朝鮮人の人権を守る会事務局長ら 「平和友好米」300キロを寄贈

34年間、朝鮮学校の子どもたちのために

 11月12日、山本玉樹・北海道在日朝鮮人の人権を守る会事務局長ら一行4人が北海道朝鮮初中高級学校を訪れ、「平和友好米」300キロを子どもたちに寄贈した。

 1976年から始まった「平和友好米」の寄贈は、今年で34回目、34年を迎えた(30回目の節目となった4年前には、400キロの米を寄贈された)。

「平和友好米」を前に生徒たちと記念撮影

 北海道・長沼町に自衛隊の地対空ミサイル基地を建設しようとしていた国に対し、73年に住民側は札幌地裁へ提訴、「自衛隊の違憲」とした歴史的な原告全面勝訴を勝ち取り、基地建設は中止された。

 当時、平和を取り戻したこの広大な土地で収穫された米をどうするか論議された。

 在日朝鮮人の人権を守る活動に献身していた山本氏は、強制連行や強制労働の犠牲者の子どもたちが学び、不条理な民族差別を受けながらもすくすくと育つ朝鮮学校の子どもたちのために米を贈ろうと提起し、「平和友好米」の寄贈が始まった。

 今年も北海道初中高教育会理事長、教職員、生徒たちは、300キロにもなるたくさんの米を持って学校を訪れた山本氏一行を熱烈に歓迎した。

 山本氏は、教職員、生徒たち一人ひとりと握手し、この子のアボジは誰、オモニはあんなに小さかったのに、この生徒のハラボジは友人だった、ハルモニは歌がとても上手だったと、交流のあった総聯の活動家の名前や家族の名前までもらさず記憶から呼び戻し懐かしんでいた。

 そして、在日朝鮮人が権利獲得のためにどれほど闘い苦労したかを力強く語った。

 73年3月、とりわけ活動家であった柳髣氏に不当にも強制退去令を発動した国側との裁判で、退去令を撤廃させ勝訴し涙を流しながら「マンセー(万歳)!」を叫んだことを熱く語った。

 育ちゆく3世、4世の子どもたちに1世、2世の思いを受け継いで欲しいとさらに語る。

 34年間、「平和友好米」に込められた想いと当時の在日1世たちの心は300キロの米よりはるかに重く貴い。

 毎年寄贈される「平和友好米」は朝・日友好と親善を深め、連帯をより深いものにしている。【北海道初中高】

[朝鮮新報 2009.12.18]