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経済建設の生命線は先行部門 朝鮮経済学会のリ・ヘンホ委員長に聞く

 現在朝鮮では、経済強国建設に向けて、人民経済の先行部門、基礎工業部門(電力、石炭、金属工業、鉄道運輸、以下先行部門)に対する国家的な関心が傾けられている。朝鮮経済学会のリ・ヘンホ委員長に今年の展望について聞いた。

−経済建設の方向性は

 朝鮮では、先行部門を社会主義経済建設の生命線ととらえている。

 生産と建設に欠かせない燃料と動力、資材と輸送を保障する電力、石炭、金属工業と鉄道運輸は、生産の第一工程を担う人民経済の先行部門であり、経済の土台である。

 この第一工程がつまずくと、それに続く工程に支障が出る。そのため、先行部門を経済建設の生命線と呼んでいる。

−先行部門に力を傾ける意義は

リ・ヘンホ委員長

 この部門を優先させるのは朝鮮労働党と政府の一貫した方針であり、先軍時代経済建設路線の基本要求のひとつだ。

 金日成主席は、同部門を他の部門よりも優先させる方針を打ち出し、まずこの部門の物質的・技術的土台を強化することに力を注いだ。

 この生産土台と潜在力があったから、「苦難の行軍」と呼ばれる90年代の経済的試練期に他国の経済封鎖策動を乗り越え、チュチェ工業を守り抜くことができた。

 金正日総書記は主席の遺訓に従い、電力問題の解決を経済強国を建設するうえでの突破口のひとつに規定し、全国に大規模発電所と中小型発電所を建設するようにした。石炭工業、金属工業と鉄道運輸を発展させるための措置も講じた。

 新たな段階へと進んだ強盛大国建設の要求に沿って、先軍時代の経済建設路線を提示した総書記は、電力と石炭、金属工業と鉄道運輸の早期発展を国の経済建設全般においてもっとも重要な課題に定め、同部門の生産正常化と技術改修事業を現地指導を通じて推し進めている。

−電力問題解決の現況について

基本輸送手段である鉄道

 先行部門の中でも電力問題は特別な意義をもつ。国の電力問題を根本的に解決するため、各地に大規模水力発電所を建設している。

 これまで、安辺青年発電所、泰川4号青年発電所、漁郎川第1号発電所などの大規模発電所が建設され、国の動力基地がさらに強化された。

 平安北道は、07年に泰川4号青年発電所が竣工したことで、大寧江に階段式に建設された1、2、3、5号発電所と合わせ、大きな発電能力を備えた動力基地となった。

 現在、元山青年発電所、金野江発電所、漁郎川発電所、礼成江青年発電所などが早期操業をめざしており、新たな大規模発電所も相次いで建設されている。

 また、中小型発電所も各地に建設され、その発電能力は2倍以上に増えた。

 一方、電力の効率的な利用と節約は、新しい発電所建設に匹敵する意義をもつ。

 非合理的な送電システムを国家的に整備して電力の途中損失を減らし、生産された電力を最大限効果的に利用するための対策を講じている。

−石炭問題は

 石炭は工業の重要動力になるばかりでなく、現代化学工業における貴重な原料にもなる。朝鮮で採取できる原料の中で基本となる資源だ。

 そのため、朝鮮ではチュチェ工業発展と人民経済向上に大きな意義をもつ石炭を「黒い金」と呼んでいる。

 石炭の生産を増加させるためには、炭鉱に電力と設備、資材を集中的に供給しなければならない。

 だから、規模の大きい主要炭鉱に資材の供給を集中させている。

 順川地区、北倉地区、徳川地区の炭鉱をはじめ、石炭埋蔵量が豊富で採掘条件のよい大規模な炭鉱に力を注いでいる。

 豊谷、三泉、竜蟠炭鉱と南陽、徳川、済南、南徳炭鉱で坑が操業し、2.8直洞青年炭鉱、竜登炭鉱の坑内に大型長距離ベルトコンベアーが設置された。石炭生産を増加させるための確固たる土台が築かれたことは、近年の石炭工業部門の成果だ。

−金属工業部門は経済強国建設の根幹だとしているが

 この部門で転換を起こし、鉄鋼材の生産を決定的に押し上げなければならない。

 現在、同部門では、金策製鉄連合企業所と千里馬製鋼連合企業所をはじめとする金属工場に、必要な燃料と電力、原料、資材や設備などを集中的にまわし、生産施設と技術工程の補修、整備を最短期間で完了させる一方、生産を高い水準で正常化している。

 朝鮮の金属工業が展望性のある発展を遂げるうえでの基本は、主体性を強化することだ。

 城津製鋼連合企業所は、国内燃料に基づくチュチェ鉄の生産工程を完備し、鉄鋼材生産を増加させた。黄海製鉄連合企業所の鋼鉄職場は100トン電気炉を操業、金策製鉄連合企業所は4号脱炭路を建設、1号焼結炉改修工事を完了するなど、チュチェ鉄生産基地の運営を正常化し、生産を絶えずアップさせることのできる土台を築いた。

−鉄道運輸部門の現況は

 鉄道は基本輸送手段だ。鉄道輸送を円滑に保障するためには鉄道の物質的、技術的な土台を強化し、輸送手段を効率的に利用しなければならない。

 電力工業と金属工業などの関連部門は、この部門で求められている電力と鉄鋼材、セメントなどの資材を随時保障するための対策を講じている。

−先行部門を強化するための方途は何か

 そのひとつは、内閣と国家計画委員会などの経済指導機関の活動で革新を起こすことだ。

 国家経済指導機関では、先軍時代の経済建設路線と政策、社会主義経済管理原則に準じた事業に取り組んでいる。【平壌支局】

[朝鮮新報 2009.1.5]