朝大政治経済学部8人 卒業控え祖国を再訪問 |
同胞社会を担う決意新たに 【平壌発=韓昌健記者】昨年12月24〜31日に朝鮮大学校政治経済学部4年の学生が祖国を訪問した。錦繍山記念宮殿、沙里院嵋谷協同農場、沙里院民俗通り、白善行記念館、大同門映画館、清流館、U−17サッカー女子代表チーム、康盤石第一中学校などを訪れた。卒業を目前に控え、学生たちは祖国と同胞社会に尽くす決意を新たにしていた。
今回の訪問は、朝鮮大学校が学部別に行う公式の祖国研修ではない。あくまで私的な一般訪問団の形でなされた。8人は昨年2月に祖国の地を踏み、すでに研修を終えていた。 なぜ訪れたのか。発起人の金雄基さんは、「研修で学んだ日々を一過性にしたくなかった。交わした約束、誓った言葉が空言でないことを祖国の人々にもう一度、伝えたかった」と動機を語る。 12月28日、康盤石第一中学校の生徒たちと再会した。研修中、一週間の実習を行ったときに受け持った生徒たちだ。 冬休み中にもかかわらず、朝早くから生徒たちは寒風の吹く運動場で8人の到着を待ちわびていた。バスを降りるやいなや花束を手にした生徒たちが我先にと駆け寄り、あちこちで揉みくちゃの抱擁が交わされた。8人の両手を奪い合いながら一群は教室へと移動し、クラスごとに歓迎昼食会が催された。 黒板には学生たちの名前が数色のチョークで大書されている。机の中心には焼肉用のコンロと鉄板が置かれ、その周りにはをキムチ、キムパプ(朝鮮風のり巻き)、冷麺といった朝鮮料理と果物、菓子類が所狭しと並べられた。時間が許すかぎり、生徒たちと肩を組んで歌を歌ったり、椅子を使ったゲームに興じ、体育館でフォークダンスを楽しんだ。 参加者の一人は「出発前までは、単に生徒たちと再会するための旅行気分に似たような雰囲気も多少はあったが、実際に訪れてみて考え方が変わった」と語る。生徒たちとの再会は、朝大卒業後の自分の将来についてもう一度考える良い機会になったという。 訪問中、沙里院嵋谷協同農場で働く青年たちとも再会した。祖国のために尽くす彼らの断固たる姿にあらためて感じることが多かったと李民赫さんは振り返る。 同協同農場は、12月12日に金正日総書記の現地指導が報じられた場所でもある。総書記が農場内を足早に歩くので、現地の管理責任者たちも追いつくのがやっとだったという。 李さんは「祖国の青年たちと再び触れ合う過程で、これから祖国が歩む道と自身の将来を重ね合わせた。在日同胞社会に寄与していこうと8人みんなが決意を新たにした」と力強く語った。 年末、祖国では総連新宿商工会に対する強制捜索の映像がテレビで流れた。在日社会が置かれた厳しい現状を祖国人民は心底、憂いている。そのような状況下での8人の訪問を祖国は最大限に評価し、心から喜び、大切にもてなした。 「白善行記念館、大同門映画館、清流館、U−17サッカー女子代表チームなど、どれも初めて訪れた場所だ。祖国の配慮を肌で感じるとともに、われわれに対する期待の大きさを実感した」と金賢喜さんは話す。それ以外にも、万景台学生少年宮殿の生徒たちが8人のために人民文化宮殿まで「出張公演」を行った。 8人が訪問した期間は、千里馬製鋼連合企業所に対する総書記の現地指導により「強盛大国建設の烽火」が朝鮮全土に燃え広がり始めた時期と重なる。 「このような歴史的転換期を祖国の地で迎えたことに意義を感じる」と尹成輝さんは話す。そして「同胞社会を担う新世代として、これから自分がやるべきことは多い。今回の訪問で感じたことを生涯忘れずにがんばりたい」と抱負を語った。 朝鮮中央通信は、8人を正式に「学生祖国訪問団」として位置づけ、12月24日に到着ニュースを配信した。労働新聞も同25日付で報じた。 [朝鮮新報 2009.1.16] |