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全体見据えた総書記の経済分野視察 鉄鋼中心に各部門で増産

生産現場の士気も高く

 今年元日の3紙共同社説は金属工業の優先的発展を中心課題に据え、主要部門の生産潜在力を最大限動員することを呼びかけた。昨年、朝鮮は金日成主席の生誕100周年を迎える2012年に「強盛大国の大門を開く」との目標を提示。金正日総書記は昨年12月24日、千里馬製鋼連合企業所を現地で指導し、「新たな革命的大高揚の烽火」を上げた。それから約1カ月、労働新聞など国内メディアは1月の経済各部門での成果を連日のように伝えている。

「苦難の行軍」の克服

1月に総書記の現地指導を受けた大安重機械連合企業所 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 朝鮮経済は現在、「苦難の行軍」と呼ばれた1990年代後半の沈滞の悪循環を乗り越え、各部門の相互連携に基づいた全般的な発展を可能にする「連帯的革新」を推し進めている。年始からの各部門の「大高揚」は総書記の現地指導と密接に関係している。

 楽元機械連合企業所(平安北道)のパク・チョングン支配人は「総書記は経済を立て直すためには、どの部門でまず革新を起こすべきか見抜いている」と話す。

 千里馬製鋼連合企業所が独自の技術で開発した超高電力(UHP)電気炉の付属部品である油圧ポンプは楽元機械連合企業所が製造したものだ。総書記は千里馬製鋼連合企業所を訪れる1カ月前の昨年11月24日、楽元機械連合企業所を現地で指導した。

 90年代後半、国内の多くの工場や企業所は電力不足と原料難により、生産がストップするなど深刻な経済的損失を被った。国内ではこの時期、食糧問題の解決に力を注ぐ一方で経済立て直しの基本課題として生産設備の改修や現代化を進めた。

 そのような中、建設機械の製造を主としてきた楽元機械連合企業所は2000年、専門的な油圧技術の開発に着手した。総書記の指示によるものだ。99年から現職についたパク支配人はこれまで、総書記の現地指導を7回受けた。

 同企業所は現在、国内のほとんどの油圧設備を請け負うまでになった。パク支配人は技術面で細部にわずかな調整を加えれば「油圧分野では世界レベルに到達」すると自信を見せる。

 また「総書記は『チュチェ鉄』(国内に豊富な原料を利用した朝鮮独自の鉄およびその生産工程)増産のために必要な酸素分離機を大量生産し、全国の製鉄所、製鋼所に出荷することを課題として提示した」ことも明らかにした。

 総書記の経済部門に対する一連の指導は個別の工場や企業所に限った発展を見据えているのではなく、国の経済全般の連鎖的な復興を見通したものだ。

 昨年、設備などの現代化を成し遂げた千里馬製鋼連合企業所、完工した礼成江青年1号発電所、元山青年発電所、寧遠発電所には楽元機械連合企業所など国内の機械工場で生産された設備が導入されている。労働新聞1月31日付は、ここ数年で多くの工場や企業所の生産工程が現代化され、経済部門の主要対象が完成した事実に言及し、こんにち、「経済強国建設で一大飛躍を起こせる条件と可能性、土台と潜在力がもたらされた」と指摘した。

「強盛大国の入口」

 千里馬製鋼連合企業所に対する現地指導は試練を乗り越え自立経済の土台を再構築し、次なる飛躍を促すきっかけとなった。

 同企業所に対する現地指導以降、「金属工業の優先的発展を中心に人民経済の生産潜在力を最大限動員」(09年3紙共同社説)する問題が強調された。「人民経済の全部門で最高生産水準を突破」(労働新聞1月31日付)することが「現段階の経済建設」において提起されている。

 年始めから各地の経済単位を訪ねる総書記の精力的な活動が伝えられている。朝鮮中央通信によると、元山青年発電所(江原道、1月6日発)、大安重機械連合企業所と金星トラクター工場(ともに平安南道、1月13日発)、平壌製糸工場と平壌ガム工場(1月15日発)を現地で指導した。また昨年10月に操業した礼成江青年1号発電所(黄海北道、1月31日発)も訪れた。各所で今後の課題などに言及したことが伝えられている。

 一方、今年は「苦難の行軍」にピリオドを打ち、強盛大国建設を宣布してから10年目を迎える年だ。

 近年の3紙共同社説を振り返ってみると、06年は、「経済全般が確固たる上昇の軌道に乗った」と総括、07年は工業の主体性強化と現代化の段階に突入したと指摘、08年は経済強国建設が強盛大国建設の「主たる戦線」に設定され、人民経済の先行部門、基礎工業部門に力を注ぐことが強調された。

 総書記は礼成江青年1号発電所視察の際、朝鮮は今まさに「強盛大国の入口に差し掛か」り「最終突撃戦に突入」したと指摘。「全党、全軍、全民が立ち上がり、すべての部門で一大高揚を起こし強盛大国の勝利の日を一日も早く引き寄せよう」と呼びかけた。

金属部門で「飛躍の嵐」

 労働新聞など国内メディアが1月の経済各部門の成果を伝えるなか、とくに際立っていたのが金属工業部門だ。労働新聞1月31日付は「北方の鉄鉱石生産基地である茂山鉱山連合企業所(咸鏡北道)から金策製鉄連合企業所(同上)と城津製鋼連合企業所(同上)、西部の黄海製鉄連合企業所(黄海北道)に載寧鉱山(黄海南道)、殷栗鉱山(同上)など、どこを訪れても新たな革命的大高揚の烽火を掲げ飛躍を起こしている」と現場の雰囲気を紹介した。

 同紙によると、千里馬製鋼連合企業所は1月の生産量を前月の数倍に増やし、金策製鉄連合企業所は2号溶鉱炉に新たな火をともして生産準備を進めた。

 そのほか、富寧合金鉄工場(咸鏡北道)、興南電極工場(咸鏡南道)、ポサン製鉄所(平安南道)、フンサン鉱山などでの成果にも触れた。そして「勝利の信念にあふれ、国の鉄鋼部門をしっかりと盛り立てていく力強いたたかいは2月に入っても繰り広げられていく」と展望した。(呉陽希記者)

[朝鮮新報 2009.2.4]