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最高人民会議第12期代議員選挙の準備活発

全国の選挙区で総書記を候補者に推戴

 日本の国会に相当する最高人民会議の第12期代議員選挙準備が着々と進んでいる。最高人民会議常任委員会は1月6日、代議員選挙を3月8日に実施すると発表した。その直後、中央選挙委員会が構成され、各地にも選挙委員会が組織された。選挙の準備状況と朝鮮の選挙の特徴、今後の注目点などについてまとめた。

軍部にも委員会組織

 中央選挙委員会の構成に関する最高人民会議常任委員会決定(1月6日)によると、中央選挙委員会は、最高人民会議常任委員会の楊亨燮副委員長を委員長、朝鮮労働党中央委員会の金仲麟書記を副委員長、最高人民会議常任委員会の崔永林書記長を書記長とし、この他10人の委員で構成された。

 選挙実施の決定発表後、選挙準備活動が全国各地で行われた。1月14日発朝鮮中央通信によると、道(直轄市)、市(区域)、郡の選挙委員会が組織されて活動を開始し、武力部門にも選挙委員会が組織された。

 今月1日、平壌の4.25文化会館で「第333号選挙区有権者大会」が行われ、金正日総書記を候補者に推戴した。これを皮切りに、4日までに全国のすべての選挙区で行われた有権者会議では、いずれも総書記を代議員候補者に推戴した。会議で報告者らは総書記を代議員候補者に推戴することを提起し、討論者とすべての有権者らはこれに支持、賛同を表明した。

 このように総書記が代議員候補者に推戴されたことに対して、朝鮮のメディアは「総書記に対する絶対的信頼の表れ」(労働新聞3日付社説)だとしながら、その意義を強調している。

 朝鮮の選挙法によると、代議員候補者は、ひとつの選挙区にだけ登録することになっている。

 総書記は過去にもすべての選挙区で候補者に推戴されたが、最初に推戴した選挙区で候補者登録をした。2003年8月の第11期代議員選挙の際は、選挙の約20日前に全国の有権者にあてた公開書簡を発表し、最初に推戴された「第649号選挙区」に登録することを表明された。98年7月の第10期代議員選挙の際も、最初に推戴した「第666号選挙区」に登録した。

 その後選挙委員会は、総書記が登録した以外のすべての選挙区に、祖国と人民のために献身している活動家、軍人、労働者、農民などを代議員候補者として推薦し、候補者登録を行った。今回もこのような流れになると推測される。

 ちなみに、今回最初に推戴した「第333号選挙区」は、有権者大会に朝鮮人民軍の趙明禄総政治局長や金格植総参謀長、金鎰武l民武力部長など軍関係者が参加したことから、軍部の選挙区と見られている。

注目の第1回会議

 選挙は「一般的」「平等的」「直接的」な原則により、秘密投票の方法で実施される。「一般的」とは、17歳以上の公民に選挙権・被選挙権を付与、「平等的」とは、すべての有権者が同じ資格と権利をもって選挙に参加、「直接的」とは直接投票で有権者の意思を反映するという原則だ。

 選挙区は、同数の人口を基準にして定められていることから、同じ数(一人)の代議員が選出される。当選した10期、11期の代議員はいずれも687人だった。

 これまで、選挙後の1カ月前後に最高人民会議第1回会議が開催された。慣例からすると、今回の選挙の約1カ月後に第1回会議が行われる見通し。

 最高人民会議では国家の対内外政策の基本原則を立て、国防委員会や最高人民会議、内閣など国家機関の人事、国家予算などを決定する。とくに第1回会議では内外政策において重要決定がなされた。第11期の第1回会議では、米国の核脅威に対抗する核抑止力増強を政策化し、10期のそれでは、憲法改正によって金正日総書記を国家の最高首班に戴いた。

 朝鮮半島情勢が目まぐるしく変動する中、今回の最高人民会議の第12期第1回会議でどのような決定が発表されるか注目される。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2009.2.12]