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祖平統 米・南合同軍事演習を非難 「民間機の安全保証できない」

「核戦争の暗雲もたらす」

 祖国平和統一委員会(祖平統)スポークスマンは9日から米国と南朝鮮によるキー・リゾルブ、フォールイーグル合同軍事演習が南朝鮮全域で始まるのと関連して5日、声明を発表した。

 声明は、今回の演習の「挑発的で危険な性格」について言及し、「わが国の尊厳と自主権に対する重大な挑発であり、わが民族の安全と地域の情勢を甚だしく危険にさらす反平和的な犯罪行為である」と非難した。

 今回の演習には、海外駐屯米軍と南朝鮮駐屯米軍2万6000余人、南朝鮮軍のぼう大な兵力が参加し、米国の原子力空母ジョン・C・ステニスと原子力潜水艦を含む空母戦団や迎撃ミサイルシステムをはじめ最新装備が動員されるという。また、米国と南朝鮮は演習の期日を昨年の6日間から2倍に延ばし、訓練内容をさらに挑発的なものに変えたばかりか、朝鮮の平和的な人工衛星打ち上げ準備を口実に南朝鮮とその周辺、ひいては米国本土と太平洋上の戦略核武力まで総動員している。

 声明は、今回の演習が「米国新政権発足後初の大規模な戦争演習」という点を強調、「朝鮮半島の非核化を阻む張本人がほかならぬ米国と南朝鮮自身であり、彼らが公言する『非核化』とは北侵企図を覆い隠すための単なる看板にすぎない」と断じた。

 また、政治的・軍事的対決の解消と軍事的衝突の防止に関連した北南合意が全面無効化された状況下で強行されることによって、「任意の瞬間に実戦に移りかねない危険性がある」「全面戦争へと広がりかねない危険な導火線になりうる」などと指摘した。

 そのうえでスポークスマンは、「いかなるさ細な挑発やその兆候に対しても断固たる懲罰を下す」と警告した。また、朝鮮半島での軍事的衝突事態発生の可能性にかんがみて、「演習期間に朝鮮側の領空とその周辺、とくに東海上の領空周辺を通過する南朝鮮民間航空機の安全を保証できなくなった」ことを宣布した。

「戦争騒動は破たん免れない」 朝鮮メディアの論調

 労働新聞4日付論評は、南朝鮮と米国による合同軍事演習の強行は「明らかに朝鮮を軍事的に威嚇し武力で討つための好戦的な企図の発露であり、危険きわまりない北侵戦争騒動である」と非難した。

 論評は、「歴史的に行われてきた合同軍事演習はいかなる名称であろうといずれも核戦争挑発を狙ったものであり、朝鮮半島の軍事的対決と緊張状態を激化させ、国の平和と安定を由々しく脅かした」と指摘したうえで、「今回の演習の挑発的な性格と危険性はいつにも増して深刻だ」と憂慮を示した。

 同日付の論説も、朝鮮に対する軍事的挑発は直ちに中止されるべきだと主張した。同論説は、今年に入って朝鮮に対する「制裁」と「軍事力使用」を叫んで対決を鼓吹する米国と南朝鮮軍部の戦争挑発の動きについて実例を挙げて追及した。

 また、「米国は『力の優位』を強調しているが、彼らの軍事力は絶対的なものではなく、朝鮮に対する軍事的挑発策動は破たんを免れない」と指摘した。

 民主朝鮮5日付論評も、合同軍事演習が「有事の際に南朝鮮を防御するため」だとする主張を「き弁」だと一蹴、「一つの戦争を行っても余りあるぼう大な規模の兵力が動員されるこの軍事演習を果たして『防御』のためのものだと見なす人はいるだろうか」と疑問を提示した。

 とくに、今回の演習が「先制攻撃戦略」を適用した北侵戦争シナリオである「作戦計画5027」に基づいて行われることを問題視した。

MDL一帯で挑発行為頻発 朝鮮側が米国に警告

 祖平統スポークスマン声明に先立つ2月28日、東・西海地区北南管理区域の北側軍事実務責任者は、軍事境界線(MDL)一帯で米軍の挑発と違反行為が続発していることに対して南側軍部に通知文を送った。

 北側責任者は、李明博政権の反北対決政策により朝鮮半島で一触即発の緊張した情勢が続いている時期に、米国が「対朝鮮圧殺の野望を実現しようとする企図から、情勢をいっそう緊張激化させようと策動している」と非難した。

 そして、「米軍が勝手に東・西海地区北南管理区域に大挙して押し入ってくるのは、その代表的実例である」と指摘した。

 通知文によると、1月5日と21日、米軍が西海地区北南管理区域軍事境界線30メートルラインにまで入ってきて北側哨所に向けて写真を撮り、軍事境界線を通過する車両を監視したのをはじめ、今年に入り2月20日までの間だけでも、およそ66回にわたって62人の人員と58台の車両が同軍事境界線100メートル以内に押し入ってきたという。

 北側は「北南関係が戦争瀬戸際の状況へ至っている現在、南側の黙認のもと軍事境界線上で起きている米軍のこのような行為は予測不能な軍事衝突を招きかねない」と警告した。

 さらには、米軍が北南管理区域で挑発行為を続ける場合、朝鮮側が「断固たる対応措置」を取ることを明言した。(相)

[朝鮮新報 2009.3.9]