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〈朝鮮の論調〉 人工衛星発射問題

二重基準は許されない 労働新聞3月29日付

 敵対勢力がわれわれの平和目的の人工衛星打ち上げ準備をめぐって騒ぎを起こしている。

 米国と一部の追従勢力は、衛星運搬ロケット「銀河2号」による「光明星2号」の打ち上げが「大きな脅威」になると主張している。また、われわれの衛星打ち上げを「挑発行為」だとし、長距離ミサイルと同じ技術であるので国連安全保障理事会に上程し、問題視すべきだと騒いでいる。

 幼稚な対応だと言わざるをえない。平和目的の衛星打ち上げは国と民族の繁栄、ひいては人類の進歩に貢献する正当な事業であり、主権国家の合法的権利である。

 朝鮮は平和的な宇宙科学研究と衛星打ち上げ分野で国際的な信頼を増進させ、協力を強化する立場から、すでに宇宙条約と宇宙物体登録条約に加盟した。

 また、国際的規定にしたがって国際民間航空機関と国際海事機関などの国際機関に航空機と船舶の航行安全に必要な資料を提供し事前通告した。いうなれば、わが国はほかの衛星打ち上げ国と同様の国際的手続きと慣例にしたがって衛星を打ち上げることになる。しかし唯一、米国と日本、南朝鮮だけが朝鮮の衛星打ち上げを妨げようと、理屈に合わない主張を行っている。彼らは衛星打ち上げを止めることができないと知るやいなや、この問題を国連安全保障理事会に上程しようと企んでいる。

 国連安保理がこの問題を取り扱おうとするなら、公平にすべての国の衛星打ち上げを問題視するのが当然である。ここで2重性と偏見があっては絶対ならない。

 世界的に9つほどの国が現在まで数千基の衛星を打ち上げたが、安保理に持ち込まれて問題視されたことは一度もない。このような前例を持つ安保理が、われわれの衛星打ち上げに対してだけ問題視できるというのか。

 安保理が公正さを失い、反朝鮮敵対行為に利用されるなら、朝鮮半島の非核化プロセスを破たんさせたという拭えない汚点を歴史に刻むことになるだろう。

 朝鮮外務省スポークスマンが明らかにしたように、わが国の衛星打ち上げ問題が国連安保理に上程、討議されれば朝鮮半島の非核化と6者会談は完全に破たんすることになり、われわれはより強い措置を講じるだろう。すべての責任はこの事態を生んだ張本人たちが負うことになる。

「迎撃」騒ぐ日本の狙い 3月31日発朝鮮中央通信

 対朝鮮敵視政策を追求する勢力がわれわれの平和目的の試験通信衛星「光明星2号」の打ち上げを妨げるために躍起となっている。

 過去、わが国に最も大きな罪を犯した日本がその先頭に立っている。麻生首相をはじめとする当局者は朝鮮の人工衛星打ち上げが日本の安保に対する「脅威」になると騒ぎ立てている。自衛隊の海上および地上配備型迎撃ミサイルと監視手段が朝鮮東海とその周辺地域に機動展開されている。また、衛星が打ち上げられた場合には独自の追加制裁措置を講じ、国連安全保障理事会に上程すると騒いでいる。

 日本は米国をバックにわれわれの人工衛星を迎撃すると公言したが、朝鮮側の断固たる立場が示され米国の対応もトーンダウンした後には、段階的に分離される運搬ロケットの「残骸が日本の領土に落下する場合に限る」と発言を変えた。

 日本がわれわれの衛星打ち上げをミサイル技術開発だと主張し、世間を騒がせている目的はほかでもない。それは何よりも、6者会談を破たんさせ朝鮮半島の非核化プロセスを遅延させることで、自身の核武装の野望を合理化することにある。

 6者会談が始まって以来、日本がしたことといえば非核化の妨害だけである。われわれに対する「テロ支援国家」指定解除に反対し、エネルギー支援義務を回避するなど、非核化に向けた「行動対行動」原則の履行を妨げた。日本の裏切り行為は意図的なもので、その裏には自身の核武装を正当化する口実をつくろうという打算がある。

 第2の目的は、朝鮮の人工衛星打ち上げを日本社会の軍国化と国内の政治危機の解消に最大限活用するためである。

 日本にはわれわれの衛星を迎撃できる保証も確信もない。日本が狙っているのは、衛星打ち上げに反対する過程を通じて得ることになる政治・軍事的利益である。腐敗した政治風土に幻滅を感じる国民の視線を「安保脅威」に集中させることで、軍国主義を鼓吹し、政治危機を収拾する時間的余裕を得て、将来、米国との共同ミサイル防衛システムの展開などの軍事大国化を本格的に推進するための足場を固めようとしている。

 日本が朝鮮の衛星打ち上げに対してのみミサイル技術開発だと言いがかりをつけ、敵対行為にしがみつくのは「相互尊重と平等の精神」の具現という6者会談9.19共同声明を否定することを宣言するものであり、結局は6者会談のテーブルを覆す行為になる。

 日本が「光明星2号」に対する迎撃を企図しようとしまいと、われわれがしり込みすることはない。日本があえてロケット迎撃の道に進むなら、われわれはそれを戦犯国日本が第2次大戦後 60数年ぶりに鳴らす再侵略戦争の砲声として受けとめ、最も威力のある軍事的手段ですべての迎撃手段とその牙城を無慈悲に粉砕するだろう。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2009.4.3]