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労働新聞 MD樹立は軍拡競争の禍根

 労働新聞1日付は「冷戦式思考の発露」と題する論評を掲載、米国のミサイル防衛(MD)システムを批判した。論評の要旨は次のとおり。

 最近、米好戦勢力が新政府発足後初めてハワイの基地でミサイル迎撃実験を断行したと米国防総省ミサイル防衛(MD)局が明らかにした。今回実験した迎撃ミサイルシステムは、短距離および中距離ミサイルを最終飛行段階で大気圏外、あるいは大気圏内で迎撃することになっているMDシステムだという。

 見過ごせないのは、米国が朝鮮の「ミサイル脅威対処」をうんぬんし、2011年会計年度までに44発の迎撃ミサイルを配備しようとしていることである。米国防総省MD局は、2002年から現在までMDシステムの開発に莫大な資金を支出したし、今後5年間での500億ドルの追加支出も計画している。

 MDシステム樹立策動は米国の覇権主義政策の産物であり、新たな軍拡競争を招く禍根である。

 こんにち、米国のMDシステム樹立が本格的に推進されれば、それは即ち世界の軍事的、戦略的なバランスと安定を破壊することになり、それが多くの国を刺激して新たな国際的軍拡競争を助長するであろうことは言うまでもない。

 米国はありもしない「ミサイル脅威」説を騒ぎ、自らのMDシステム樹立、軍拡競争激化策動を合理化してより強化する方向に進んでいる。

 恒常的にミサイルの脅威にさらされているのは朝鮮である。ミサイル脅威の加害者は米国であり、われわれはその被害者である。

 米国が「北朝鮮ミサイル脅威」説を流し、MDシステム樹立に拍車を掛けている目的は、世界的なミサイル網を形成することにより、絶対的な軍事的・戦略的優位を占め、他国の軍事的抑止力を無力化して自分らの覇権的世界戦略を実現するところにある。

 しかし、こんにち、冷戦式思考と行動方式は百害あって一利なしであり、力の万能論は破たんの状態に陥った。米国は、時代錯誤の冷戦式思考と妄想を捨てて軍拡競争の危険を増大させる妄動を打ち切るべきである。(朝鮮通信)

[朝鮮新報 2009.4.6]