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不法入国の米記者問題 「敵対行為への当然の審判」 朝鮮中央通信社 詳報

 朝鮮中央通信社が16日発表した詳報「米国人犯罪者らの反共和国敵対行為に対する当然の審判」の全文は次のとおり。

 最近、米国人記者2人が反共和国敵対行為を働いて朝鮮の国境を不法侵犯した末、逮捕され、裁判を受けた。

 裁判は、朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法第158条(注1)と朝鮮民主主義人民共和国刑事訴訟法第271条(注2)に基づき、国家機密の漏えいを考慮して非公開で行われた。

 朝鮮中央通信社は委任により、朝鮮半島に米国とのかつてない対決の局面がつくり出された時期に米国人たちが働いた犯罪の事実を世界に告げるため詳報を発表する。

 さる3月17日未明、正体不明の男2人と女2人が密かに豆満江を渡って咸鏡北道穏城郡江岸里のこちら側の対岸を侵犯して不審な行動を取った。

 朝鮮の国境警備隊員が取り締まろうとすると、男2人は逃走し、女2人が現場で逮捕された。

 逮捕者たちの身分を確認したところによると、1人はローラ・リンという32歳の中国系米国公民で米ケーブルテレビ局「カレントTV」の特派記者であり、もう1人はリ・スンウン(ユナ・リー)という36歳の南朝鮮系米国公民で同社の編集員である。

 調査の結果、侵入者たちは反共和国人権謀略策動に利用する映像資料制作の目的で国境を侵犯し、犯罪行為を働いたことが明らかになった。

 朝鮮民主主義人民共和国中央検察所は3月22日、ローラ・リンとリ・スンウンに対する逮捕令状を発給し、刑法第69条(注3)と第233条(注4)に基づく刑事責任を追及した後、彼女らを拘束処分した。

 予審過程で、ローラ・リンとリ・スンウンはさる1月、米国のロサンゼルス市で「カレントTV」番組プロデューサーのミッチ・コス、番組製作部責任者のデービット・ニューマン、会社法律責任者のデービット・ハリストンらと朝鮮を中傷するドキュメンタリーの制作、放映を謀議したことが明らかになった。

 謀議者らは、取材対象に南朝鮮で反共和国人権謀略策動に狂奔している政治手先である「トゥリハナ宣教会」牧師の千h元と彼が紹介する越南逃走者を定めた。

 3月6日、彼女らは会社から9950ドルを受け取り、中国入国ビザの申請書には旅行目的を一般観光と、職業を「カレント・ホールディング」のコンピューター専門家と偽って申告し、3月9日に米国を出発した。

 ローラ・リンとリ・スンウン、ミッチ・コスは、南朝鮮に立ち寄って3月11日に軍事境界線の非武装地帯を見て回り、越南逃走者と会い、彼らからわれわれの体制と人民を中傷する妄言を誘導した。

 3月13日、中国・吉林省延吉市に到着してからは、千h元が紹介したガイドの案内で不法越境者と会い、犯罪者たちが並べ立てるあらゆる悪口を収集した。

 被審人らの上記供述内容は徹頭徹尾、朝鮮のイメージを失墜させ、誹謗、中傷するための極めて不純な政治的動機から出発した敵対行為であることを示している。

 これは刑法第69条(朝鮮民族敵対罪)に当たる行為である。

 3月17日午前6時、ミッチ・コスとローラ・リン、リ・スンウンは、千h元が紹介したキム・ソンチョルの案内で中国・図們市月晴鎮から凍った豆満江を渡ってこちら側の対岸に上陸後、ビデオカメラで周辺を撮影し「われわれはただ今、許可なく北朝鮮領内に入った」という解説を録音し、侵入の記念に地面から小石を一つ拾った。

 これは刑法233条(不法国境出入罪)に当たる重大な国境侵害行為である。

 朝鮮中央検察所は、被審人らの供述と証拠物であるビデオカメラ1セット、ビデオテープ6本、デジタルカメラ1台、小石1個、写真17枚、映像資料2点などによって犯罪行為の全容が確定したことに従い、5月11日に被審人らを中央裁判所に起訴した。

 朝鮮中央裁判所は6月1日、事件調査に基づいて起訴事実に根拠があり、法条も正しく適用されたと認め、刑事訴訟法第292条1項(注5)と第295条(注6)によって刑法第69条と第233条で起訴された被告人らを裁判に付す判定を下した。

 これに従って、6月4日から8日まで平壌市裁判所の法廷で、被告人らの裁判を行った。

 被告人らの請願と要求にしたがって彼女らが選定した通訳人による通訳を保障し、裁判審理過程にローラ・リンに対する弁護士の弁論が保障された。リ・スンウンは弁護士選定権利を自ら放棄したので弁論が提供されなかった。

 裁判で被告人たちは、自分たちが働いた行為が朝鮮の人権実情を事実と異なってこき下ろし、誹謗、中傷する映像資料を制作して朝鮮の社会主義制度を孤立させ、圧殺しようとする政治的動機により働いた犯罪行為であることを認めた。

 中央裁判所は、朝鮮民主主義人民共和国の名において、被告人ローラ・リンとリ・スンウンを刑法第69条により労働教化刑10年、刑法第233条により労働教化刑4年を量定し、刑法第44条(注7)により労働教化刑12年を言い渡した。

 刑期は被告人を拘束した2009年3月22日から計算し、判決に対して上訴できないことが宣告された。

 犯罪者たちは判決を認め、受け入れた。

 われわれは、米国が反共和国犯罪行為を生じさせたことに対し警戒を持って鋭く注視している。

※       ※

 注1 裁判は公開し、被訴者の弁護権を保障する。法が定めるところに従い、裁判を公開しないことができる。

 注2 裁判は公開する。国家または個人の秘密を守る必要があるか、社会的に悪影響を与える可能性のある場合には裁判の全部または一部を公開しないこともある。裁判を公開しない場合でも、判決の宣告は公開する。

 注3 外国人が朝鮮民族を敵対視する目的で朝鮮人の人身、財産を侵害したり、民族的不和をもたらしたりした場合、5年以上10年以下の労働教化刑に処する。情状の重い場合は、10年以上の労働教化刑に処する。

 注4 不法に国境を出入りした者は、2年以下の労働鍛練刑に処する。情状が重い場合は3年以下の労働教化刑に処する。

 注5 判事は予審が十分に行われ、裁判を行えると認められる場合に被疑者を裁判審理に付する判定を行う。起訴された犯罪事実に誤りはないが、刑法の条項を誤って適用した場合には、起訴した刑法条項を追加あるいは変更し、被疑者を裁判審理に付する。

 注6 被疑者を裁判審理に付する判定を行う場合には裁判の日時と場所、審理に出席させる証人、鑑定人および審理を公開または非公開にするのかを定める。

 注7 ある犯罪者が引き起した各種形態の犯罪を同時に裁判する場合は、各犯罪別に刑罰を量定したのち、最も重く量定した条項の刑罰に、残りの条項の刑罰の半分程度を重ねる。

[朝鮮新報 2009.6.24]