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〈今月の金正日総書記−6月−〉 端川の成果を高く評価

 国内メディアが報じた6月の金正日総書記の公式活動は、祝電などを除くと14回。軍関係の活動は、部隊視察と軍人家族芸術サークルの公演の観覧などを合わせて計4回だった。一方、経済視察は7回。また、文化・芸術分野の活動として歌劇作品の指導や公演の観覧などが伝えられた。

現代化の取り組み

活 動 日 誌

▼軍部隊視察

13日 朝鮮人民軍第7歩兵師団指揮部※

▼その他軍関係

1日 朝鮮人民軍第529軍部隊と海軍司令部の軍人家族芸術サークル員の公演を観覧※
3日 人民軍第264軍部隊と第604軍部隊の軍人家族芸術サークルの公演を観覧※
5日 人民軍第583軍部隊と人民警備隊第3154軍部隊の軍人家族芸術サークルの公演を観覧※

▼経済視察

5日 端川マグネシア工場、端川精錬所、端川鉱山機械工場(咸鏡南道端川市)※
6日 咸州郡東峰協同農場(咸鏡南道)※
7日 高山果樹農場(江原道)※
30日 咸興半導体材料工場、国家科学院咸興分院(咸鏡南道咸興市)※

▼文化・芸術

7日 歌劇「エフゲニー・オネーギン」の創作活動を指導※
14日 咸興大劇場(咸鏡南道)で歌劇「紅楼夢」を観覧※
24日 ロシア・モイセーエフ国立アカデミー民族舞踊アンサンブル(モイセーエフバレエ団)の公演を観覧※

▼祝電など

2日 キューバのラウール・カストロ国家評議会議長に祝電
18日 朝鮮人民軍将官のチョ・ソンホ氏の霊前に花輪
27日 朝鮮労働党中央委員会の李光濠・前科学教育部長(最高人民会議代議員)の霊前に花輪

※は朝鮮中央通信配信日

 経済分野の活動で注目されるのは5日に報じられた咸鏡南道の端川地区に対する視察だ。

 5日発の朝鮮中央通信によると、総書記は端川マグネシア工場、端川精錬所、端川鉱山機械工場の3カ所を訪れ、これらの単位が達成した成果を高く評価した。総書記は5月にも同地区に隣接する剣徳地区の鉱山、企業所(大興青年英雄鉱山、剣徳鉱業連合企業所、竜陽鉱山)を視察している。

 咸鏡南道の朝鮮東海海岸に面する端川市一帯には国内屈指の埋蔵量を誇る鉱山と、そこで採掘された鉱物を加工する工場が集中している。各国投資家の高い関心を集めており、南朝鮮も2006年以降、閣僚級会談などを通じて同地域を「民族共同資源開発特区」にすることを北側に提案したことがある。

 剣徳鉱山には鉛や亜鉛が、竜陽鉱山と大興青年英雄鉱山にはマグネサイトが豊富だ。

 今回、総書記が訪れた端川精錬所は剣徳地区で採掘された鉱物を処理して亜鉛製品を生産する工場で、設備の現代化プロジェクトを進めている。

 端川精錬所の現代化は03年3月から始まった。第1段階は05年11月に完成。生産工程をコンピューターで管理する総合的な自動化システムが導入され、生産量はもちろん製品の質も高まった。その後も電解工程をはじめとするさまざまな設備の現代化を進めた。

 端川製錬所を訪れた総書記は、経済強国の建設で同精錬所が占める重要な位置を強調した。また、製錬所の最重要課題は生産を高い水準で持続させることだと述べ、そのためには新技術の導入を引き続き進めるべきだと強調した。さらには、同製錬所の能力を最大限に発揮させるには、端川地区にある鉱山が良質の精鉱を十分に供給しなければならないと指摘した。

 大規模な耐火物生産拠点である端川マグネシア工場を訪れた際は、同工場が良質のマグネシアクリンカーを生産し、国の工業発展に寄与したことを高く評価した。また、朝鮮のマグネシアクリンカー工業は豊富な原料と高い技術、豊かな経験に基づいており、発展の展望が非常に大きいと述べながら、同部門に対する研究を引き続き強化し、さまざまな耐火物と軽焼マグネシアをより多く生産すべきだと指摘した。そして、生産を高水準で正常化するためには工場の現代化と技術革新を進めると同時に、関連する鉱山、炭鉱などが原料と燃料を適時かつ十分に供給すべきだと強調した。

 総書記の剣徳、端川地区に対する現地指導に言及した労働新聞の政論(6月16日付)は、同地区での成果は「衛星打ち上げや核実験の成功と同じくらい意義が大きい」と最大級の評価を与えている。

 経済分野ではほかにも、咸州郡東峰協同農場(咸鏡南道)、高山果樹農場(江原道)、咸興半導体材料工場、国家科学院咸興分院(咸鏡南道咸興市)を現地で指導した。端川地区と合わせて、視察先は東海岸地域に集中している。

歌劇創作を指導

 一方、文化・芸術分野の活動としては、チャイコフスキー作曲の歌劇「エフゲニー・オネーギン」の制作活動を指導(7日)、歌劇「紅楼夢」を観覧(14日)、ロシア・モイセーエフバレエ団の公演を観覧(24日)などが報じられた。

 「エフゲニー・オネーギン」の創作活動は金元均平壌音楽大学で行われている。同大学では、民族古典作品とともに外国の名作も上演すべきだとする総書記の指導に基づいて、同作品を新たな時代に合わせてリメイクしている。

 総書記は、朝鮮版の「エフゲニー・オネーギン」はすべての要素が高い水準で保たれていると評価したうえで、大きな民族の誇りと自負心を抱いて世界に向かって堂々と進んでいる朝鮮人民は世界の文化についてもよりよく知らなければならないと指摘した。

 歌劇「紅楼夢」もリメイク作業を終えて上演された。中国・清朝時代に書かれた長編小説として名高い「紅楼夢」の歌劇は1960年代に朝鮮でも上演されたが、朝中国交樹立60周年を迎える今年を「朝中友好の年」に定めたのに合わせ、総書記の指導の下で現代版にリメイクする作業が進められてきた。総書記は3月、同歌劇の制作を指導している。

 作品を観覧した総書記は、作家、俳優らが原作の要求を忠実に表した立派な歌劇に完成させたことに満足の意を表して公演の成果を高く評価したという。

 また、モイセーエフバレエ団の公演を観覧した総書記は、同バレエ団のエレーナ・シチェルバコワ団長とも会見した。

 国際的に活躍する同バレエ団は02年以来、毎年朝鮮を訪れ公演を行っている。総書記はこれまで4回、同バレエ団の公演を鑑賞しており、今回は5回目だ。

 朝鮮中央通信は、「独特のリズムと絶妙なアンサンブルで各国人民の感情世界を感銘深く表現した公演は観客の絶賛を博した」と伝えた。(李相英記者)

[朝鮮新報 2009.7.15]