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〈飛躍と前進の「150日」−B〉 新技術で機関車生産正常化

「国の動脈に若い血が流れる」

 【平壌発=文・金志永、写真・文光善記者】「最近、高齢の技能工たちの職場復帰が流れになりつつある」と、金鍾泰電気機関車連合企業所(平壌)のキム・キョンス支配人(57)は話す。現場に戻ってきているのは、定年退職(60歳)し家で年金生活を送っていた機関車生産の専門家たちだ。

資材の確保

金鍾泰電気機関車連合企業所の内部

 キム支配人には、以前職場で一緒に働いた先輩たちが職場復帰を希望する気持ちがよくわかるという。

 1980年代までフル稼働していた生産ラインが90年代後半の「苦難の行軍」の時期にストップした。一番苦しい時期を脱した後も、労働者と技術者たちの仕事内容は機関車の生産ではなく、古い車両の修理作業に限られていた。

 昨年も機関車の生産がまったくなかったわけではないが、修理が基本だった。

 しかし、今年は違う。

 去年の生産実績の10倍が目標だ。同企業所では「150日戦闘」期間の生産ノルマを、9月より大幅に繰り上げて達成することを見越している。

 「長い間、本来の仕事ができないままに職場を去った技能工たちは、自分の手で機関車を組み立てることのできる条件が整ったことを知れば黙っていない」(キム支配人)

 変化の要因のひとつは資材確保の問題を解決したことにある。

 「国の動脈」と呼ばれる鉄道輸送は、経済で重要な役割を担う先行部門だ。同企業所は千里馬製鋼連合企業所(平安南道)、金策製鉄連合企業所(咸鏡北道)から機関車生産用の鋼材と鉄板を入手している。

新型の開発

 今年の生産台数に必要な資材はすでに確保されたという。内閣の鉄道省でも生産活動を積極的に支援している。

 同企業所が「150日戦闘」期間に達成すべき目標は機関車生産以外にもある。

 同企業所では数年前から機関車の技術改良に向けた研究を進めてきた。現在の直流機関車を交流機関車に替える作業だ。大小すべての電動機を交流式で作らなければならない。「150日戦闘」期間に生産される機関車のうち1台は、直流式から交流式への移行の近道だといわれるインパルス制御電気機関車だ。

 生産正常化と新技術導入の両側面で、「150日戦闘」は同企業所にとってたいへん重要な期間となる。

 同企業所は、強盛大国の大門を開く2012年まで、1980年代の最高生産実績を回復し、研究段階にある交流機関車の本格的な生産をスタートさせる目標を掲げている。

 「国の動脈」を円滑に循環させるのに必要な機関車の台数はすでに確認済みだ。近年は台数を増やさず、限られた機関車を、修理を続けながら使っていた。今後は新型機関車を本格的に生産して、現場に導入する計画を立てている。

 キム支配人はこれを、「動脈に若い血が流れる」という表現で説明する。

総書記の歩み

 「国の動脈」という表現は鉄道部門の関係者らにとって特別な意味を持つ。

 全国各地を回る金正日総書記の現地指導は彼らの大きな関心事だ。新聞にも、強盛大国の実現に向けて列車の中で生活しながら全国を回ることが習慣になったという最高指導者の生活ぶりを伝える記事が掲載される。

 現地指導のニュースと結び付く時、「国の動脈」という表現は最高指導者の活動の道のりを指す言葉に変わる。

 鉄道省でも列車の安全な運行を保障するために細心の注意を払う。新型機関車の増産など鉄道部門の未来を描くキム支配人も、総書記の現地指導について話す時には自然と力が入る。

 「休息をとる時間も投げ打って、列車で現地指導の旅を続ける総書記の姿は人びとの心を打っている」(キム支配人)

[朝鮮新報 2009.7.15]