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〈飛躍と前進の「150日」−E〉 全盛期の生産水準回復を

自動車部門復活の「行程表」

 【平壌発=金志永記者】勝利自動車連合企業所(平安南道)の生産現場がキム・チョルウン第1副技師長(41)に一任されるようになってからしばらく経つ。現場のトップである技師長が自身の実力向上のため人民経済大学に通い始めて6カ月。最近では支配人も機械工業省での会議に参加するため、ひんぱんに平壌へ赴く。

CNCの導入

勝利自動車連合企業所の作業現場 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 キムさんは今年に入って第1副技師長の職務についた。兵役を終えて、同企業所に配属されたのが1998年。労働者として生産現場で学び、必要な技能を身につけた。まだ若い第1副技師長が支配人と技師長不在の企業所の生産活動を管轄するのは骨の折れる仕事だ。ところが本人は、自分にそのような役目が回ってきたことを喜んでいるように見える。

 金正日総書記は今年3月、同企業所を現地指導で訪れた。その時、2012年までの生産目標が具体的に示された。1970年代に年間1万台を生産したことが、同企業所の過去の最高実績だ。最高指導者は企業所の生産活動を当時の水準に回復させるよう呼びかけたという。

 企業所は4月から始まった「150日戦闘」を構想の最初の実践段階に定めた。

 「勝利58型」「勝利61型」「自主64型」など、さまざまな形態のトラック生産に拍車をかけた。同時に、コンピュータ制御の工作機械導入による生産工程のCNC
(computer numerical control=コンピュータデジタル制御)化にも着手した。

 「150日戦闘」期間の生産台数は数百台レベルに過ぎず、CNC導入も試験段階だ。しかし2012年までの増産計画と、それを担保するCNCの導入計画はすでに立案済みだという。

現代化3年計画

 キムさんは、「自動車は『工業の総体』。機械工業省でもわが企業所の2012年に向けた生産計画を重視している」と話す。

 鋼材、合金綱など自動車生産に使われる資材が千里馬製鋼連合企業所(平安南道)をはじめとする各地の製鉄所や製鋼所で生産されている。第1副技師長が関心を向ける問題は、過去数十年間使ってきた古い生産ラインを取り払い、今後数年の間にCNCによる生産ラインを新たに確立することだ。2012年に過去の最高生産実績を突破するためのカギは設備の現代化の推進にあるとキムさんは断言する。

 企業所に導入される工作機械は亀城工作機械工場(平安北道)と熙川工作機械工場(慈江道)で生産される。平壌にある機械工業省の会議室では、勝利自動車連合企業所が作成した新しい生産ラインの設計図面を前に、企業所と省の幹部らが意見を交わし知恵を集める。

 2000年代に入って、亀城、熙川の両工場でコンピュータ制御の工作機械が開発され現場に導入され始めた。両工場は開発された工作機械を輸出して得た資金で工場の全ての生産工程をCNC化することに取り組むなど、数年間は自工場を現代化させるのに関心を傾けた。勝利自動車連合企業所の現代化は両工場が支えている。

明るいニュース

 国の科学技術の力量と経済的潜在力を総動員することによって収めた技術革新の実例は多い。千里馬製鋼連合企業所の超高電力電気炉も全国各地の機械工場が連携して作ったものだ。

 一方で、機械工業部門の関係者らにとっては自動車分野が特別な意味を持つ。「工業の総体」と呼ばれる分野をしっかり築いてこそ、国の経済発展水準を堂々と誇ることができると考えている。

 70年代以降、生産台数が次第に減少し、企業所の従業員数も全盛期の4分の3ほどに縮小された。90年代後半の経済的試練の時期には企業所も「開店休業」状態だったという。しかし今では違う。

 キムさんにとって、平壌出張から戻ってきた支配人から機械工業部門の明るいニュースを聞く時が一番仕事の疲れがとれる瞬間だ。

[朝鮮新報 2009.8.5]