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金正日総書記 現代会長と会見 金剛山観光、離散家族面会再開

 北側のアジア太平洋平和委員会(ア太委)と南側の現代グループが中断状態にある金剛山、開城観光および離散家族・親せきの再会事業を早期に再開し、南側人員の軍事境界線陸路通行を原状回復させることなどで合意した。金正日総書記は16日、ア太委の招きにより平壌を訪れた現代グループの玄貞恩会長一行と会見。翌17日には、上記の合意内容を含んだア太委と現代グループの共同報道文が発表された。玄会長一行は10日から17日まで北側に滞在した。

陸路通行正常化へ

現代グループの玄貞恩会長一行と会見する金正日総書記(中央) [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 朝鮮中央通信によると、16日の会見の席上、金正日総書記に玄貞恩会長が贈り物をした。

 総書記はこれに謝意を表し、「現代グループの先任者について感慨深く追憶」して「同胞愛の情があふれる温かい談話」を交わした。

 また、総書記は玄会長一行のために昼食会を催した。金養建・ア太委委員長が同席した。

 共同報道文は、「金正日総書記は16日、玄貞恩会長一行と長時間にわたって会見し、会長の請願をすべて解決した」とし、5項目からなる合意内容を伝えた。

 両者は中断された金剛山観光を早期に再開し、金剛山の最高峰である毘盧峰の観光を新しく開始することで合意した。共同報道文は、金正日総書記が講じた特別措置によって、観光に必要なすべての便宜と安全が徹底的に保障されるだろうと強調した。

 また、南側人員の軍事境界線陸路通行と北側地域での滞在を10.4宣言の精神にのっとって原状回復することにした。

 軍事境界線陸路通行の正常化に伴い、開城観光を直ちに再開し、開城工業地区事業を活性化していくことにも合意した。

 さらに、現代側が白頭山観光を開始することでも合意した。

 北南の離散家族・親せきの面会を今年の秋夕(10月3日)に金剛山で行うとした。

 共同報道文は、「双方は歴史的な6.15共同宣言と10.4宣言に従って北南関係を改善し、民族共同の繁栄のための協力事業を積極的に発展させていく意志を表明した」と指摘した。

 一方、連合ニュースなどによると13日、「北側の体制を中傷するなど法に抵触する重大な行為を働いた」として3月から北側当局に拘束されていた南朝鮮の男性が釈放され、身柄が現代側に引き渡された。

 北南間の交流・協力事業は李明博政権発足後の関係悪化によって軒並み中断に追い込まれた。

 現代のグループ企業、現代峨山が1998年から実施してきた金剛山観光は昨年7月、南朝鮮の女性観光客射殺事故を機にストップした。

 また、北側は南朝鮮当局の反北対決政策への対応措置として、昨年12月から北南間の軍事境界線の陸路通行を遮断し、開城観光も中止している。

 離散家族・親せきの再会は李政権発足後、一度も行われていない。

[朝鮮新報 2009.8.20]