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竜城機械連合企業所 技術革新で生産に拍車

「自力更生」の伝統を継承

 【平壌発=金志永記者】「強盛大国の大門を開く」2012年に向けて、朝鮮全土で経済復興のための取り組みが進められている。それにしたがって、国内有数の重工業拠点である竜城機械連合企業所(咸鏡南道)の存在感も増している。

企業所の役割

竜城機械連合企業所の生産現場

 竜城機械連合企業所の歴史は朝鮮の工業発展史と重なる。同企業所は1960年代に千里馬製鋼連合企業所の6千トンプレスを製作、70年代には城津製鋼所の大型水平鍛造機、80年代には剣徳鉱山の第3選鉱場建設、90年代には興南肥料連合企業所の現代化など国家的な大規模プロジェクトに直接関与した。

 現在、朝鮮がとくに力を注いでいる部門は金属、電力、化学工業部門など。国産の原料に基づいた「チュチェ鉄」の生産、大規模水力発電所の建設、農作物増産に直結する石炭ガス化肥料生産システムの確立など、「強盛大国の大門を開く」という「2012年構想」の実現において重要な役割を担う現場だ。これらで必要とされる機械設備も竜城機械連合企業所で製作している。

 「苦難の行軍」、強行軍と呼ばれた1990年代後半期の経済的苦境期には燃料難が電力不足を招き、工場や企業所が息をひそめた。多くの工場で長い間、設備更新が行われず、設備の老朽化が進んでいた。

 21世紀に入り、朝鮮では電力、石炭、金属、鉄道運輸という「4大先行部門」を優先的に盛り立て、これらの部門から経済再建の突破口を開くという対策が取らされた。全国の工場と企業所では「苦難の行軍」の傷跡を克服して、生産工程の現代化を実現する事業が進められた。

 「4大先行部門」では産業構造の現代化が求められた。工場の設備製作は、竜城機械連合企業所をはじめとする機械工業部門の役割だった。

 生産工程の現代化と技術革新を着実に進めていくという政策の成果は、強盛大国建設に向けた取り組みが活発に行われている現在、目に見えて現れている。

自立経済の土台

 「4大先行部門」で実績が上向きになり、国の経済全般が上昇軌道に乗るようになると、機械設備製作の方向性も従来とは異なって設定されるようになった。竜城機械連合企業所のチェ・ホン支配人(52)は、2012年を目標に東部の興南肥料連合企業所と西部の南興青年化学連合企業所に大規模肥料生産プラントを新設する計画を実例に挙げて、その変化を説明する。

 現在、国家的な大規模投資を受け新型の設備を一式そろえる単位が増えている。国の投資の対象も、重工業だけではなく食糧問題の解決や人民生活向上に直結する部門を重視している。

 90年代半ばから後半にかけて、正常な生産活動を行えなかった工場は少なくなかったが、竜城機械連合企業所も例外ではなかった。

 機械工場や企業所の支配人たちは、国の経済が上昇軌道に入ったとされる2005年ごろから電力問題が徐々に解決され、鋼材も供給されるようになったと明かす。国が経済的苦境から脱することができた要因について語る時、「4大先行部門」を裏で支えた機械工業の潜在力は見落とせない部分だろう。他国からの輸入に全面的に依存するのではなく、自国の人材と技術に基づいて現代化の課題を遂行した。

 チェ支配人は1950年代の戦後復興建設と千里馬大高揚の時期、「鉄と機械は工業の王」というスローガンを掲げて強固な重工業の土台を築いたため、現在も朝鮮は自国の決意に沿って経済を発展させていくことができると話す。当時、「機械から米が出てくるのか」と言いながら重工業先行の路線に反対した勢力の主張に従っていれば、「今日の強盛大国建設路線はなかった」と断言する。

最先端を目指す

 近年、竜城機械聯合企業所でも生産ラインの改造、現代化が進められている。とくに機械設備の品質を高め製作のスピードを早めるための技術革新案を積極的に導入している。考案者は企業所の技術者や技能工たち。「自力で歩む機械製作所」、先端技術に基づいた自力更生が彼らの目標だ。

 数多くの大型機械設備を製作した経験を持つ竜城機械連合企業所には、これを可能にする土台があった。

 2001年以降、今回まで金正日総書記の現地指導は9回を数える。

 チェ支配人によると現在、竜城機械連合企業所の製品の質は世界的に見ても高い水準にあるという。人工衛星打ち上げに貢献した朝鮮工業の水準は一朝一夕で築かれたものではない。機械工業部門の関係者は、強盛大国建設に向けて自身の本領を発揮する時がやってきたと話している。

[朝鮮新報 2009.9.2]