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朝鮮外務省 「『核なき世界』決議は二重基準」 「決議に拘束されず」

 朝鮮外務省スポークスマンは9月30日、同月24日に行われた国連安全保障理事会首脳会合で「核兵器のない世界」の実現に関する決議が採択されたことと関連し、朝鮮中央通信社記者の質問に次のように答えた。

 9月24日、ニューヨークに国連安保理首脳が集まり、核拡散防止と核軍縮問題を論議し、「核兵器のない世界」の実現に関する安保理決議1887号を採択した。

 問題は、今回の決議が国際社会全般の念願と意思が十分反映されていないダブルスタンダードなものであることだ。

 非核国家に対する米国の核脅威とそれによってさまざまな地域で平和と安定がじゅうりん、破壊されている現実が問題視され議論されるべきである。

 最大の核保有国がまず核軍縮に取り組み、撤廃させることが世界の非核化に向けた先決条件である。

 現実的に重要な問題は無視され、核大国の一方的要求だけがおもだって列挙されている今回の決議は、世界の非核化という看板のもとで核独占による自身の支配権を維持しようとする核列強の策動にほかならない。

 朝鮮の核抑止力は、半世紀以上も米国の核脅威の中で生きてきた朝鮮人民の平和的発展の権利さえ踏みにじろうとする強権と専横に立ち向かい、国の最高利益と地域の平和、安全を守るためにやむをえず保有しなければならなかったものである。

 朝鮮を核保有国にした根源が存在するかぎり、朝鮮は核兵器放棄を考えられない。

 核拡散防止条約は、朝鮮半島に対する米国の強まる核脅威を防ぐうえで何ら役割を果たすこともできなかったうえに、米国の対朝鮮孤立圧殺策動に悪用された。これに朝鮮が非核国家として再び加盟することは想像もできない。

 朝鮮は核列強の支配主義的野望で一貫している国連安保理決議1887号を全面的に排撃し、これにいささかも拘束されないだろう。

 朝鮮半島非核化と「核兵器のない世界」の建設構想は、金日成主席が過去に示したものであり、核兵器のない平和な世界で暮らすことは朝鮮人民の願いである。

 朝鮮は過去と同様、今後も核兵器のない世界の建設と米国の対朝鮮核政策との関連の中で、朝鮮半島非核化に向けて努力していくだろう。

米国の政策転換要求

 一方、9月28日の国連総会第64回会議全体会議で演説を行った朴吉淵外務次官は、朝鮮政府が朝鮮半島と世界の平和と安全を守るうえであらゆる責任を果たすと強調した。

 朴次官は、朝鮮は朝鮮半島の平和統一、朝鮮半島に対する核の脅威と戦争原因の除去、平和と安定の実現のためにできるすべてを尽くしたが、その努力は米国の呼応を得られなかったと指摘した。

 そして、米国の核政策に変更のない現段階で、東北アジアの平和と安定を維持するためには、朝鮮が核を保有し、地域の核均衡を保つほかに方法がないとの結論に至ったと説明した。そして、朝鮮半島非核化の実現のためには、米政府が古い対決観念を捨て、「チェンジ」の立場を実践で示すべきだと強調した。

 朴次官は、朝鮮が保有している核兵器の目的が戦争抑止にあることを強調し、「核軍備競争を追求しない」との立場を明らかにした。そして、「朝鮮半島で脅威と抑止力は比例関係にある」としながら、朝鮮は「自国に対する軍事的攻撃とその脅威を抑止できる核抑止力のみ保有する」と述べた。

 また、核兵器の管理と使用、拡散防止と核軍縮問題について責任ある行動をとり、核戦争と核軍備競争、核兵器拡散に反対するすべての国と同じ立場をとると述べた。

 朴次官は、国連の名で行われている不平等で公正さを欠く制裁を決して認めることも受け入れることもできないとしながら、米国が制裁を前面に押し出して対話をするなら朝鮮側も核抑止力を強化して対話に臨むと主張した。

[朝鮮新報 2009.10.2]