平壌の新「定番」祝砲夜会 党創立64周年でも実施 |
家族で花火見物 朝鮮労働党創立64周年に際して9日夕、党創建記念塔広場(平壌市大同江区域)で祝砲夜会が盛大に行われた。太陽節(4月15日)とメーデー(5月1日)に際して行われたのに続き、今年3回目となる祝砲夜会はいまや市民の間で祝日の「定番」イベントになりつつある。
50分間くぎ付け
中区域慶尚洞に住むチョン・ジョンスンさん(40)はこの日、夫、3歳の娘と共に花火見物をした。 国家的記念日当日にどのような「行事」が行われるのか、朝鮮では一般的には公開されない。 しかし、チョンさんは夫から電話で祝砲夜会があるとの「情報」を知らされ、この日はいつもより早く帰宅した。 チョンさんの自宅は大同江沿いにある。大同江で行われた4月の祝砲夜会は「特等席」で見物できた。チョンさん一家はそのときの感動をもう一度味わえると、期待をふくらませていた。 夕方6時50分、祝砲夜会が始まった。
周辺の建物の明かりが消えると同時に党創建記念塔前にはレーザーで党のシンボルマークと「1945−2009」という文字が照らされ、花火が次から次へと打ち上げられた。
朝鮮の祝砲夜会の特徴は、単に花火を打ち上げるのではなく、さまざまな曲を使用し、その内容に合う花火を打ち上げて一つのストーリーを構成するところにある。 この日も「青年行進曲」「同志愛の歌」など、市民の耳になじみのある曲に合わせて空に打ち上げられる花火にチョンさん一家はくぎ付けになった。 約50分間行われた夜会のクライマックスは、人工衛星が空に打ち上げられるシーンだ。党創建記念塔前にレーザーで人工衛星が描かれ、空に大型祝砲がいくつか打ち上げられた。大きな音をたてて開いた後、無数の大花火が雷音を轟かせて空に散った。 チョンさんたちは大きな拍手をおくった。一方、花火の大きな音に最初は驚いていた様子の娘も最後には喜ぶ姿を見せていた。 携帯カメラで撮影 この日、市内のいたるところで家路に向かう最中の人びとがその場に立ち止まってしまうという珍しい光景が広がった。 玉流橋付近は祝砲夜会を見物しようと、歩みを止めた人びとであふれかえった。 なかには、携帯電話のカメラ機能を利用して写真に収めようとする人もいた。約50分間、平壌市民の多くが自分たちが今、帰途にあるという事実も忘れたかのように空に打ち上がる花火を眺めていた。【平壌支局】 [朝鮮新報 2009.10.16] |