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金策製鉄連合企業所 独自の生産システム確立

 【清津発=姜イルク記者】国内最大の冶金工業の拠点である金策製鉄連合企業所(金策製鉄所、咸鏡北道清津市)では、9月から始まった「100日戦闘」期間に国産の原料と燃料による銑鉄の生産に成功した。

溶鉱炉から取り出され次の工程へ移される銑鉄(盧琴順記者撮影)

 同企業所では以前、コークスを輸入に依存していたが、価格高騰などによって、輸入以外の道を迫られていた。

 同企業所では国内に豊富な無煙炭と褐炭による銑鉄生産方法の研究を数年間にわたって行ってきた。そして今回、5度目となるテスト生産に成功。国の金属工業の発展における展望を開いたと評価されている。

 チョン・ヨンチュン第1副技師長(47)によると、テストで確認された一部の技術的な欠陥を克服したのち、11月末頃から年産数万トンクラスの溶鉱炉を稼動させて、生産を正常化するという。

 また、年産数十万トン規模の溶鉱炉を2012年までに設置する計画も立てている。

飛躍の土台を用意

 金策製鉄所は世界的な埋蔵量を誇る茂山鉱山と輸送管でつながっている。銑鉄生産の原料である精鉱は大量消費しても余るほどだという。

 朝鮮は過去、社会主義諸国とバーター貿易を行ってコークスを仕入れていた。しかし、90年代以降、状況は一変し、自国の原料と燃料、技術に基づいた製鉄法確立の必然性に直面した。

 今回、同企業所が独自の鉄生産システムを確立したことの意義は大きい。

 金策製鉄所が近年に挙げた成果はこれだけではない。

 鋼片生産工程のひとつである連続造塊機の現代化を実現した。これまで地上17メートル地下19メートルまであった複雑な「垂直式」の工程を、半円形の「円弧式」に変えて生産効率を高めた。

 この工程はコンピューター操作システムでカバーされており、今年10月末には試験生産に成功した。

 現在は年内の正常稼動に向けた最終調整作業を行っている。

 また、昨年9月には溶鉱炉の効率を高めるための大型酸素分離器を設置した。輸入した加熱工程の設備を改造して燃料の消費を抑える構造に転換させた。

 銑鉄生産工程の核心部分の一つである焼結炉(金属粉やセラミック粉などの粉末を高温で加熱して固形に加工する工業炉。銑鉄の主原料である焼結鋼の生産に用いられる)も、3年をかけて改造し、05年から稼動させている。無駄な工程を省くことで生産性を高めた。

 現在、金策製鉄所では企業所内でもっとも大きい3号溶鉱炉の補修を行っている。

 チョン第1副技師長は、「09年は金策製鉄所にとって強盛大国の大門を開く12年に向けた転換の局面を開く年になった」と語った。

[朝鮮新報 2009.11.27]