朝鮮で新通貨発行 「誠実に働く市民を優遇」 |
交換比率は100対1 【平壌発=姜イルク記者】国家的な措置により、朝鮮民主主義人民共和国中央銀行が発行する新通貨(写真)への交換が11月30日、全国でいっせいに始まった。各地の貨幣交換所で6日まで行われた。 中央銀行職員のチョ・ソンヒョン氏(44)によると、新通貨の発行は1992年以来、17年ぶり。 券種は紙幣が9種(5000ウォン、2000ウォン、1000ウォン、500ウォン、200ウォン、100ウォン、50ウォン、10ウォン、5ウォン)で、硬貨は5種(1ウォン、50チョン、10チョン、5チョン、1チョン)。 旧通貨は100対1の比率で交換され、全般的な価格水準は国家的な価格調整を行った02年7月1日の水準になるという。 同氏によると、通貨交換の目的は、通貨の流通を円滑に行うことで、強盛大国建設を推進し、市民生活の安定と向上をはかることにある。朝鮮では90年代後半の経済的試練の時期にインフレが発生し、国内経済の均衡が崩れた。しかし、現在は全般的経済が上昇軌道にのり、インフレを解決できる土台が築かれた。 一部では、今回の措置が朝鮮の自由市場経済化を促すものだとの憶測があるが、同氏はこれを否定し、社会主義原則と秩序に基づく経済管理をさらに強化していくと強調した。また、国営の流通網を通じた国産品の流通増大など、国家経済能力の強化によって、市場の役割が次第に減退していくとの見解を示した。 一方、今回の措置は、国家と社会の発展のために誠実に労働し、報酬を受ける市民を優待する仕組みになっていることから、労働者、農民、事務員など多くの市民の支持を集めているという。各地の工場や企業などでは従業員に対して、以前と同額の賃金を新通貨で支給する。 チョ氏によると、今後も国家の経済活動で発生した一部の無秩序な現象を正す措置が講じられ、商店、食堂などでの外貨使用は不可能となる。 [朝鮮新報 2009.12.7] |