top_rogo.gif (16396 bytes)

朝鮮メディアの対南論調 関係改善と政策転換を主張

 朝鮮メディアが、北南の関係改善を呼びかける論調を展開している。

 労働新聞11月17日付論説は、「北と南が和解と団結、協力を実現し、北南関係を発展させることは祖国統一のための先決条件であり、民族問題解決の急務」だと強調した。

 今年8月、金正日総書記が現代グループ会長と会見したことを契機に、北側は南側に対して金剛山と開城観光の再開、開城工業地区の事業活性化、離散家族の面会に向けた諸問題を解決するなど、李明博政権発足以降、凍結した北南関係の状況打開に向けた措置を講じた。また、金大中元大統領の逝去に際し、ソウルへ特使弔問団を派遣した。

 論説はこのような措置について、「悪化した北南関係をどうにかして改善し、統一運動を発展させるための念願から出発した」ものだと説明した。

 また、労働新聞11月14日付論説は、北南関係を民族同士の関係に転換すべきであり、外部勢力の干渉に反対し、政治と軍事における対決状態を解消すべきだと主張。「南朝鮮が同族を敵視する時代錯誤の対決政策を転換するべきであり、連北和解政策によって対決と緊張を緩和させ、北南関係を画期的に改善させるための実際的な措置を講じるべき」だと強調した。

 朝鮮メディアは、関係改善を求める論調を展開する一方、対決政策を維持する南側当局の姿勢に非難を強めている。

 現在、1年5カ月にわたり中断されている金剛山観光事業の再開に向けた動きがあるなか、統一部は金剛山観光料の支払い方法の変更を主張し、問題解決に人為的な障害を作り出している。国会では「北人権法案」の採択の動きもある。

 朝鮮が一貫して強調していることは、「北南関係を改善するための(北側の)雅量と誠意ある努力」(5日発朝鮮中央通信)に応えることなく、南の保守勢力が「北南関係を取り返しのつかない破局へ追い込んでいる」(同)という点だ。

 非難の矛先は統一部に向けられている。民主朝鮮1日付は、「統一部が北南間の協力と交流事業をことごとく阻み、悪事だけを選んで働く対決狂信者の巣窟」だと非難し、労働新聞2日付は「玄仁澤が統一部長官のポストに居座り続けるかぎり、北南関係は破局から決して抜け出せない」と主張した。(陽)

[朝鮮新報 2009.12.11]