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「竜山惨事」 野党と市民が共同歩調、ソウル市内で連日 追悼集会を開催

「公安統治反対」、広がる輪

 既報のように1月20日、ソウル・竜山区再開発による立ち退きに反対しビルに立てこもった住民が死亡する事件が発生、警察当局の強制的な鎮圧による犠牲だったとの非難の声が高まっている。野党、市民団体らはこのような事件を引き起こした李明博政権の責任を追及する活動を活発に展開している。

怒りの拡散

「竜山惨事」の強制鎮圧を糾弾し、臨時国会での憲法改悪阻止に向け連帯を表明した野党と市民たち(1日) [写真=統一ニュース]

 「今回の惨事は1%の特権層のための政策と(米国産牛肉輸入に反対する)キャンドルデモ以降、全面的に強化されている公権力の暴力が引き起こした」

 南朝鮮の民主党、民主労働党、進歩新党、創造韓国党などの野党と市民団体は1日、ソウルで「暴力殺人鎮圧および『MB(李明博)悪法』阻止に向けた国民大会」を開催し、このような内容を盛った共同声明文を発表した。

 「竜山惨事」と呼ばれる今回の事件は、ソウル市竜山区再開発地域の住民らに、補償対策が不備のまま立ち退きを迫ったのが発端。住民5人と警察官1人が死亡し、数十人が負傷した。

 ソウルで行われた「国民大会」には約1万人が参加。連合ニュースによると、野党と市民団体が政府を糾弾する大規模な集会を共催するのは「1987年の6月民主抗争以来のこと」だ。

 この日の大会で民主党の丁世均代表は「87年の民主化運動以降、この国の民主主義は前進してきた。われわれはこの民主主義を後退させ歴史に逆行するMB悪法を阻止するためこの場に集まった」と強調した。

 また、共同声明文は、「『竜山惨事』に対する国民的な怒りが広がっているが、政府と与党はこれから目を背け2月の臨時国会での非正規職法案など各種悪法の決議に没頭している」と政府を非難した。

 一方、88の市民団体で構成された「竜山撤去民殺人鎮圧汎国民対策委員会」は1月31日、ソウル市内で犠牲者を追悼する集会を開催し、このような惨事を引き起こした警察関係者の処罰と竜山地区の再開発中止を求めた。集会には8000余人が参加した。同委員会は今月2日にも同様の集会を開催、今後も連日集会を実施するという。

 さらに同委員会は3日からソウル、釜山、大邱、大田、光州をはじめ南朝鮮全土60カ所で、今回の事件の責任追及の一環として、警察庁長に内定している金碩基氏の処罰を求める署名運動を行っている。

人権の蹂躙

 今回の事件は、昨年、米国産牛肉輸入に反対する市民たちの大規模なキャンドルデモに対処する過程であらわになった李明博政権の「公安統治」の実態と危険性をさらに浮かびあがらせた。

 警察当局は事件発生当時、現場にテロや人質事件鎮圧などの特殊任務に就く精鋭部隊まで投入する異例の「鎮圧作戦」を展開。多くの犠牲者が出たにもかかわらず、李明博大統領は事件をめぐる警察の強硬鎮圧を指摘する声に、「完全に一方的な話」(1月30日)だと反論した。警察当局は市民団体が主催する犠牲者追悼集会を「違法集会」だとみなし開催予定地を封鎖した。

 さらに検察当局は3日、進歩新党が運営する動画サイトが配信した映像は立てこもった住民に不利な場面が意図的に削除されたものだとしながら、動画サイト事務所を家宅捜索、事件と関連する映像の原版を押収した。

 進歩新党のリ・チアン副スポークスマンは同日、「資料協力を要請すれば十分に手に入れることのできる映像にも関わらず、捜索令状を出して無理な強圧捜索を行うのは納得できない」と反発、「キャンドルデモ以降続く、公権力の過度な濫用である竜山事件に対する政府の失策に免罪符を与えるための捜索」だと非難した。

 聖公会大学のキム・ミヌン教授は、李政権発足以降の公安関連事件について、「過去の公安統治スタイルと異なる」と指摘する。「李政権の統治の根本は法と制度、政策を転換するスタイル」だとしながら、「抵抗という問題を違法化し憲法上の基本権を封じ込めている」と説明する。

全面抗争へ

 今回の事件は、野党と市民らによる「反李明博連帯」の形成を強く促す契機となっている。

 このような連帯は、2日に開会した臨時国会での「情報院法改正案」や「言論関連法改正案」「集会およびデモに関する法律改正案」など「MB悪法」と呼ばれる法案の通過阻止に向けてさらに活発になっていく兆しを見せている。

 今回「国民大会」を行った野党と市民団体は昨年12月にも、「経済、民生危機克服に向けた諸政党、市民社会団体、各界人士の連席会議」を開催した。今回の行動は双方の連帯が「質的、内容的に発展した」ものだと関係者は指摘している。これまでの「一過性」の連携を克服し、継続的な「反李明博連帯」への発展に期待を寄せている。

 「今、民主主義と大多数の国民の命が危険にさらされている状況が目の前で起こっている。この重大な危機状況のなかで市民団体や政党の違いなど関係ない。生活を救い、民主を助けるために力を合わせるべきだ」(1月29日、暴力殺人鎮圧糾弾および「MB悪法」阻止に向けた諸政党、市民社会団体、各界人士の記者会見)

 このような動きについて一部では、民生破綻で生活難を強いられる労働者、農民、失業者、自営業者、青年学生らが合流すれば市民と李明博政権との全面的な抗争が勃発するのも時間の問題だという見方が強まっている。(呉陽希記者)

[朝鮮新報 2009.2.6]