そこが知りたいQ&A−発足1年 南内部の李政権への評価は? |
75%が「実績なし」、「失政と過ちの連続」 李明博政権が2月25日、発足から1周年を迎えた。南朝鮮では李政権のこの1年をどのように評価しているのか、Q&Aで見た。 Q 政権発足1年を前に各種世論調査が行われたが。
A 朝鮮日報、中央日報、ハンギョレ新聞などと各リサーチ会社が2月中旬からそれぞれ行なった。その結果、政権支持率はいずれも約30%台にとどまった。昨年、就任当時の支持率は約75%。支持者の半数以上が不支持に回った計算になる。 昨年上半期、米国産牛肉の輸入問題をめぐって10%台まで急落したときと比べれば回復したとの見方もあるが、「危機意識を感じた保守層の結集による現象」(韓国日報2月24日付社説)と分析されている。 京郷新聞(2月23日付)の調査内容を見ると、「現時点で大統領選を行なうとしたら李明博大統領に投票しない」という答えが64.9%にも達した。 また、「経済危機の責任」「南北関係の悪化の責任」は大統領にあるがそれぞれ80.3%と69.8%、「国政に国民世論を反映させていない」が69.1%、「人事政策が悪かった」が72.0%、「暮らしが悪くなった」が52.6%などだった。 Q その他の調査結果は? A 反共保守で知られている朝鮮日報(2月24日付)が世論調査機関の韓国ギャラップに依頼し行った調査によると、「ここ1年の大統領の最も大きな実績は何か」という質問に対し、「なし」または「わからない」という回答が最も多く、合わせて75%にも達した。経済問題では、「大統領は良い仕事をしている」が22.7%にとどまり、「誤っている」が57.8%、「わからない・無回答」が19.5%だった。 他社の世論調査結果も大差はない。 Q 李政権自身はどのように評しているのか。
A 青瓦台(大統領府)は2月20日、「危機克服と再跳躍のための足場固めに総力を傾けた1年だった」とする報道資料を出した。国民の期待に応えられなかった側面もあったと認めながらも、「前代未聞の経済危機の克服と危機以後の跳躍と繁栄の基礎固めの努力を並行させるツートラックで、国政を運営してきた」と自画自賛した。要するに、経済危機にうまく対処し、今後の発展への土台を築いたという。与党「ハンナラ党」も、「目に見える形での成果はまだない」としつつも、前向きに総括した。 しかし、南朝鮮各紙は、こうした政権側の観点は、世論調査の結果とかけ離れていると一様に批判している。 野党も、「危機を量産した1年」(民主党・丁世均代表)、「アマチュアとも評価できない、失策と誤ちの連続だった」(自由先進党・朴宣映報道官)と酷評している。 Q 経済低迷の要因について世界的な金融危機の影響だと見ているようだが。 A 2008年の経済成長率は07年の半分の2.5%にとどまり、今年はマイナス成長の見込みだ。公約として掲げた「747」(任期内に7%成長、10年内に国民所得4万ドル、世界7大国入り達成)の実現はほど遠い。 東亜日報は2月24日付の社説で、「グローバル経済危機という外的要因や反対勢力の執拗な抵抗を考慮しても、国政を担う手腕が未熟だった」と強調し、「『経済大統領はどこに行ったのか』と聞きたいのが、国民の心情だ」と指摘した。 2月22日の連合ニュースも、「政府が的確に対応できず危機を大きくしたという指摘も少なくない」と伝えた。また、今後の政権の行方について、「大統領は国政に対し自信感を見せているが、前途は決して洋々には見えない」と指摘し、その根拠として、金融不安、与野党および与党内派閥間の対立、北南関係の緊張などをあげた。(姜イルク記者) [朝鮮新報 2009.2.27] |