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「民族通信」インタビュー 崔成益 民和協副委員長

「対決政策には強硬対応」

 在米同胞インターネットメディア「民族通信」の盧吉男編集人が2月に朝鮮を訪問、民族和解協議会の崔成益副委員長(朝鮮赤十字会副委員長、祖国平和統一委員会責任参事)に北南関係についてインタビューを行った。インタビューの内容を要約して紹介する。

−北南関係の現状についての認識は。

 一言で、最悪の状態だ。南朝鮮当局は北南間で水面下の接触があるかのように言っているが、それはありえない。

 周知のように、北南関係は6.15共同宣言と10.4宣言の発表によって驚くべき前進をとげた。しかし、南朝鮮で李明博政権が発足した後、北南関係は悪化の一途をたどった。北南関係は、事態をこれ以上収拾する方法も回復できる希望もない。

−北南関係の本質と原則について、どのように考えているのか。

 われわれは北南関係を、民族内部の関係、統一を志向する関係として見ている。隣国関係や他人同士の関係ではなく、わが民族同士、統一に向かう関係だ。そのため自主、平和統一、民族大団結という3大原則が北南関係の基礎になる。

−北南関係改善に向けた立場について。

 われわれは李明博政権に対して忍耐強く接してきた。李明博政権が発足直後に北側の人権問題を騒ぎ立てた時、3月6日の祖国平和統一委員会(祖平統)声明を通じて初めて現政権を公に批判した。その後も南側当局は「先制打撃」「非核、開放、3000」「金剛山観光客事件」などを騒ぎ立てた。われわれは12.1措置を通じて軍事境界線陸路通行の遮断をはじめとする措置を講じた。今年に入っても、人民軍総参謀部スポークスマン声明、祖平統声明などで何度も忠告、警告を行ってきた。

−南側は北側に対して、批判ばかりせずに対話に応じるべきだと繰り返しているが。

 そのような姿勢は自身の責任を転嫁しようとする欺瞞的な態度だ。われわれは現在、当局間の対話を完全に中断させた。水面下の接触なども一切ない。金剛山観光も開城観光もない。現代グループは金剛山観光事業で約1000億ウォンの損害を被ったという。以上のような北南関係の悪化はすべて南朝鮮の現政権に原因がある。

−北南関係悪化の原因は李明博政権にあるというが、具体的にどういうことなのか。

 李政権が北南関係を破たんさせたという意味は、わが国の最高尊厳をあえて誹謗し、6.15共同宣言と10.4宣言を全面否定し、過去の北南間の諸合意を踏みにじりながら北南関係を戦争瀬戸際の最悪の状態に追い込んだ、ということだ。

 何よりも現政権の対北政策に大きな問題がある。

 第1に、金大中、盧武鉉両政権も署名した6.15共同宣言と10.4宣言に対して「赤化統一」をうんぬんして誹謗したことだ。

 第2に、李政権は「非核、開放、3000」を一貫した原則として掲げ、核を持った相手とは対話しないという金泳三と同様の態度を見せた。非核とは朝鮮半島の非核であって、北の核だけを除去することではない。李明博大統領は北側の核放棄の前には一切の協議を行わない、6者会談の結果を待つという姿勢だった。核を持った北と会談すれば、北の核を認めることになるとも発言した。核問題の本質についての初歩的な知識すら欠如していると言わざるをえない。

 李政権の言う非核、開放の真意は何なのか。そこには北南交流を北の開放のきっかけにしようという意図が透けて見える。

 第3に、李政権は北南間の合意をすべて破棄した。北南合意において基本は政治・軍事的な合意だ。互いの思想、制度を尊重し、誹謗中傷をやめ、武力衝突を防止する問題だが、李政権はこれらをすべて覆した。

 第4に、李政権は対話の必要性を強調しながらも、実際は対決を鼓吹し和解と協力を拒んだ。統一部を廃止しようとした人物、「非核、開放、3000」の立案に中心的な役割を果たした人物を統一部長官に就任させたが、対話とは矛盾した措置だ。また、統一顧問会から白楽晴(6.15共同宣言実践南側委員会前常任代表)、丁世鉉(民族和解協力汎国民協議会常任議長)氏らを追い出し、保守的人物を大挙登用して一体何をしようというのか。

 李政権が発足してから統一運動に対する弾圧はひどくなった。メディア交流、文学交流も遮断された。

−今後の対応について。

 北南関係に対するわれわれの基本的な立場に変化はない。祖国統一3大原則に基づき6.15、10.4宣言を履行し、北南関係を本来の要求に沿って解決していくというものだ。しかし、このような立場を否定し対決政策を追求する相手に対しては、超強硬な立場で対応するだろう。

 李明博政権の運命は破滅以外にない。李政権が進んで6.15、10.4宣言を履行、実践するとは思えない。北南関係の回復は、南朝鮮社会の主人である各界各層の人びとが覚醒してたたかう以外に道はない。(翻訳・編集部)

[朝鮮新報 2009.3.19]