「朝中友好の年」事業スタート 伝統継承、関係発展を強調 |
既報のように、朝鮮と中国との国交樹立(1949年10月6日)60周年を記念する「朝中友好の年」事業の開幕式が18日、総理をはじめとする両国高官らの出席のもと、北京で行われた。開幕式出席のため訪中した朝鮮の金英逸総理は胡錦濤国家主席など中国側の指導部と相次いで会見した(別項参照)。朝中両国は、「友好の年」開幕式と高位級の会合を通じて60年にわたる親善の歴史を高く評価し、新時代の両国関係の展望を内外に示した。 60年の歴史を評価
一連の行事や会談における両国高官らの発言からは、幾多の困難を乗り越え発展してきた朝中親善関係に対する賞賛と、今後も関係を発展させようとする意志がうかがえる。 中国国務院の温家宝首相は開幕式の演説で、「双方が互いに緊密に支持、協力し合い、両国関係の発展と東北アジアおよび世界の平和を守るうえで積極的な寄与をした」と述べ、国交樹立以来の中朝関係の歴史を振り返った。 式では朝中友好を築き育ててきた金日成主席と毛沢東主席、周恩来首相をはじめとする両国の老世代の指導者らの業績が強調された。温家宝首相は、「朝鮮は新生中国の建国後、最も早く国交を樹立した国のうちの一つであり、両国人民の間の友情は深い」と発言。これに対し、金英逸総理も「朝中親善の伝統は両国人民が変わりなく継承し、発展させるべき共同の財産」だと応じた。 一貫した立場を確認
朝中の友好親善関係を絶え間なく発展させていくことは「両国の党と政府の一貫した立場」(金総理)だ。 金正日総書記と胡錦濤主席は新年を迎えて祝電を交換した。祝電では「朝中友好の年」である今年の重要性と意義が強調され、今後の2国間関係のさらなる発展に対する確信が表明された。 今年に入って、高位級の人的往来も活発に行われている。胡正躍次官補を団長とする中国外交部代表団と王家瑞部長を団長とする中国共産党対外連絡部代表団が1月に相次いで訪朝した。金正日総書記は王部長一行と会見した。 2月には李光濠部長を団長とする朝鮮労働党代表団が中国を訪問し、政治協商会議全国委員会の賈慶林主席と会見した。 また、年末年始には新春を祝う国家レベルの宴会が両国で数多く催された。 金総理の今回の訪中には金属工業相、農業相、貿易相ら内閣の閣僚も同行した。総理は滞在期間、胡錦濤国家主席を表敬訪問したほか、呉邦国・全国人民代表大会(全人代)常務委員長と会見し、温家宝首相と朝中総理会談も行った。 朝鮮側は総理会談で、「朝中友好の年」を機に「中国側との協力関係を互恵の原則に基づいて多方面的に深めていく立場」(朝鮮中央通信)を表明した。 一方、中国側も両国間の交流と協力をさまざまな分野で活性化していく意向を示した。中国共産党機関紙・人民日報電子版によると、▼両国関係の政治的基盤の強化に向けた高位級の交流を継続し▼貿易投資の推進など共同発展のための協力を強化し▼人的・文化的交流を緊密にし、「中朝友好の年」活動を成功させ、両国関係の発展に新たな活力を注入し▼重要な国際・地域問題における意思疎通と協力を強化し、6者会談を積極的に推進するという4項目を提案した。 毎月分野別の行事 双方が今年を「朝中友好の年」に定めることについて公式に確認したのは、昨年6月の習近平副主席の訪朝時だ。習副主席は09年を「中朝友好の年」に制定し、各種記念活動を行うことを朝鮮側に提案したという。 劉曉明駐朝大使ら中国側関係者が現在まで明らかにしたところによると、10月6日の国交樹立記念日に向けて、毎月、分野別のさまざまな交流・協力活動が行われる予定だ。 経済分野では既存の各種協定の内容を改め、経済協力や貿易を拡大、発展させ、北京と平壌などで商品展を開催する。また、中国側は朝鮮に対する観光事業にも力を入れ、大規模な観光団を朝鮮に送る計画だという。 文化分野では、万景台学生少年芸術団や人民解放軍芸術団をはじめとする両国の芸術団体の相互訪問を実施する。また、両国の首都で映画上映会や美術工芸品展、図書展などを開催し、記念切手も発行する。朝鮮側は中国歌劇「紅楼夢」のリメイク版を上映する予定だ。 スポーツ分野でもサッカー、卓球、テコンドーなどの親善試合やサーカス団の相互訪問を計画している。 「朝中友好の年」の閉幕式は10月以降、平壌で行われる予定。(李相英記者) [朝鮮新報 2009.3.25] |